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エチオピア食糧 緊急支援
エチオピア
(更新)
緊急支援2016年度活動報告
「栄養不良の危機にある子どもと妊産婦への支援を中心に」
「治療センターで栄養不良から回復」
南部諸民族州に住むエタフェラウさん(25歳)
母親のひざの上で、ミルクを飲むエンギス君
「以前はこの土地では雨が十分に降り、私たちは畑で穀物やトウモロコシ、野菜を栽培し、その収穫は暮らしに十分に足りていました。子どもたちも健康に育っていました。ところが昨年は8月に降るはずの雨がまったく降らず、2日間、ほんの少し降っただけです。10月末になって突然激しい雨が降り、これからようやく育とうとうする種苗を全部流してしまったのです。そしてそれ以降、雨は一度も降りません。食料不足が始まると、夫はもう家族を養えないと言って出て行ってしまいました。今どこにいるのかも、わかりません」。
エタフェラウさんの息子エンギス君は体調をくずし、治療センターに運ばれました。急性の中度栄養不良と診断されたエンギス君は、エチオピアのプランが実施するコミュニティ主導栄養対策プログラムの対象となり、治療を受けています。このプログラムでは、母乳育児の重要性、5歳未満の子どものための食事の作り方、家庭の衛生、家族計画などをテーマとした講習会も開いています。また軽度から重度までの栄養不良児の入院費も支援します。
「この栄養不良治療センターへ母親に連れてこられた時、エンギス君は深刻な栄養不良と肺炎に罹っていました」と、治療にあたった看護師のメクデスさんは言います「エンギス君は毎日、抗生物質とビタミンAを投与されました。これに加え、プランは、エンギス君と母親エタフェラウさんに、健康維持のために、トウモロコシと大豆の粉をブレンドした栄養補助食とおかゆ、ミルクを支給しています。センターに来たときは5.3kgだったエンギス君の体重は1週間後に6kgに増えました。
今ではエンギス君は回復し、自分で食べたり飲んだりできるようになりました。「エンギスが治療を受けられるようになったとたん、私のストレスもどこかに消えました」とエタフェラウさんは微笑みます。
実施地域 | アムハラ州、オロミア州、南部諸民族州の3州 |
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実施期間 | 2016年1月~2017年度(予定) |
対象 | 子どもたち・妊産婦、農家 |
背景 | エチオピアではエルニーニョ現象による異常気象で、ここ数十年で最も深刻な干ばつが発生。政府の発表では国内1010万人が食糧支援を必要とし、40万人の栄養不良の子どもたちが生命の危険にあると予測。プランの活動地域でも、収穫期に作物が実らず、家畜の栄養状態も悪化。4月頃からは地域によって豪雨による洪水の被害が発生。危機的状況が続いています。 |
今期の主な活動 |
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活動のハイライト | プランは現地政府や国連組織、国内外の団体と連携しながら、被害が深刻な、5387人のチャイルドの住むアムハラ州、オロミア州、南部諸民族州および、最近プランの事務所を構えたガンベラ州を中心に支援活動を展開。これまでに5歳未満の子ども4万5083人、妊婦・授乳中の母親3万8930人の栄養状態を調べ、食料を支給、重度栄養不良の場合は治療を行いました。この他に水や衛生面の支援、農家の今後の生計を支援するため穀物・野菜の種の配布を実施しました。保健員向けのトレーニングや技術的アドバイスを行っていますが、医療用品支給や巡回活動の支援も今後行っていく計画です。天候不順が今尚続いており、食糧危機を脱するまで引き続き支援活動を継続していきます。 |