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【第5報】内戦下のシリアで被災者の衛生改善を支援~トルコ・シリア地震/シリア緊急支援~
緊急支援
(更新)

瓦礫のなかにたたずむ男の子
シリア内戦により家を追われた人々を襲った大地震
シリアでは、政府軍と反体制派などとの間で12年以上に及ぶ内戦が続いており、震災前から680万人もの人々が家を追われ、国内避難民として不自由な暮らしを強いられていました。また、内戦により治安が悪化し厳しい経済情勢が続く国内では、国民の約半数にあたる1200万人以上が人道支援を必要としており、200万人の子どもたちが学校に通えていません。
国内避難民モニタリングセンター(IDMC)によると、地震による国内避難民の数は67万7000人以上にのぼり、半年が経過した現在も、11万人以上が国内避難民キャンプなどでの生活を余儀なくされています
※。

学校も避難所に(2023年2月17日撮影)
シリア北西部で人々のニーズに即した支援を実施
被災した人々のニーズは、季節や時間の経過とともに変化しています。プランは現地のパートナー団体の協力を得て、震災直後は水や食料、衛生キットのほか、冬の寒さから身を守るための毛布やマットレスの配布など、物資の支給に優先的に取り組みました。

支援物資を運ぶ子どもたち
現在は夏の暑さによる水不足や衛生環境の悪化などの理由で、下痢やコレラなどの感染症のリスクが増えています。プランは、国内避難民キャンプ内の集団避難所に給水設備やトイレ、男女別シャワーを設置し、衛生環境の改善を支援しました。さらに、配水管や給水タンクの修復も行いました。

地震で壊れた配水管の復旧を支援
主な支援活動
8350家族(3万9619人)に以下の支援を提供
- 食料セット4350個、衛生キット4350個を配布。2万1750人に食料と衛生用品を届けました。
- 衛生キット850個(4250人が利用)と清掃キット50個を25の避難所(学校内)に提供しました。避難所に暮らす3086家族(1万3316人)の衛生環境の改善に役立ちました。
- 男女別の簡易シャワー付の小屋2棟(シャワーは1棟あたり4つ、計8つ)を避難所の1つに設置。64家族(303人)が利用できるようになりました。
上記以外に、プレハブを使った仮設住居の設置、ソーラーランプの配布、電線の復旧なども支援しました。
現地では、現金給付支援や子どもの心理社会的ケア、教育の継続にむけた活動も必要とされています。今後もシリアの地震被災地において、包括的で意味のある支援活動の実施にむけて、引き続きパートナー団体や関係各所と連携しながら取り組んでまいります。
- ※トルコ・シリア地震/シリア緊急支援へのご寄付募集は2023年6月30日をもちまして締め切らせていただきました。皆さまの温かいご支援に心よりお礼を申し上げます。現地では人々のニーズに寄り添った活動を継続しています。
関連リンク
現地の声
アデルさん(15歳、男の子)
「震災の記憶は私の心の奥深くに残っています」
紛争と貧困のなかで育った私は、苦難には慣れていました。しかし、地震は私の世界を打ち砕き、大切なものすべてを奪いました。私が救うことができたのは大好きだったぬいぐるみのテディベアだけです。今でもこの現実を受け止めるのに苦労しています。神様が私に乗り越える力を与えてくださるよう祈っていますが、あの震災の記憶は私の心の奥深くに残っています。
サラさん(避難所に暮らす女性)
「女の子のプライバシーが守られるように」
避難所における集団生活のなかでは、停電に加えて、水がいつでも使えるわけではないことが大きな心配事でした。男女別のシャワーが設置されたことは私たちにとって何より嬉しいことです。これからは、特に懸念だった女の子のプライバシーが守られ、皆が安心して快適に身体をきれいにすることができるようになるでしょう。重い肩の荷が少し軽くなったように感じますし、避難生活上の安全が保たれることに安心感を覚えています。