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「ハイレベル政治フォーラム」レポート~SDGs達成に向けた課題~
理事長
池上 清子
理事長ブログ
(更新)
2017年7月17日から19日まで、ニューヨークの国連本部で「持続可能な開発のためのハイレベル政治フォーラム(HLPF)」の閣僚会議が開催されました。このフォーラムの目的は、各国が持続可能な開発目標(以下、SDGs)の達成に向けた取り組みや進捗状況を発表し、目標達成に向けた議論をすることです。
日本政府もレビューに参加
今年は日本を含む43カ国が「自発的国家レビュー」に参加しました。日本は17日、岸田文雄外務大臣が、日本のSDGsの進捗状況を報告しました。
外務大臣による日本政府の報告で、評価できるポイントは以下の3点です。
- 市民社会を含むさまざまなステークホルダーと対話を続けていきたいと表明したこと
- 日本が2030年までに目指す方向性を世界に示したこと
- 子どもの教育、保健、災害リスク軽減、ジェンダー平等、シリア紛争などの国際協力分野に対し、10億ドルを拠出すると表明したこと
スピーチの中で、SDGsの認知度向上とさらなる取り組みの推進のために「国民運動」的活動を展開していくという発言がありました。それを受けて同日の夕刻に行われた日本政府主催のレセプションには、SDGsを普及するために作成された動画に出ているピコ太郎さんが外務大臣や子どもたちと一緒に登場し、PPAPのパーフォーマンスを通してSDGsを紹介しました。また、最終日には「閣僚宣言」が採択されました。
ブラジルの女の子がフォーラムに参加
プラン・インターナショナルは、各国のリーダーが集まる議論の中で、ジェンダーに基づく暴力や有害な慣習など、目標を達成するうえで障壁となっている女の子の権利に関する課題や、若者の経済的エンパワーメントの重要性に焦点が当たるように、世界のリーダーへの働きかけを行いました。ブラジルから2人の女の子が参加し、SDGsを達成するうえで、プランが発行したブラジルの子どもたちや女の子が直面する課題についてまとめた報告書に関するサイドイベントを行い、女の子が直面する課題や女の子をエンパワーメントする重要性を多くの関係者に訴えました。
フォーラムで発言するブラジルの女の子
フォーラムに参加したブラジルの女の子
目標の達成に向けて
今回、閣僚会議で数カ国のレビューを聞く機会がありましたが、日本を含む各国とも、17ある目標のうち、どの目標を優先的に取り組んでいるのかを紹介し、うまく動いている事例を提示する段階にとどまっていました。このような発表内容では、「自発的国家レビュー」のプロセス自体が形骸化してしまう恐れがあります。国別のレビューを行うこと自体は重要ですが、各国は現状を正確に把握して課題を指摘したうえで、SDGsを推進するための政策や実施体制などを見直す必要があります。
「自発的国家レビュー」の様子
「自発的国家レビュー」は今年で2回目ですが、本来あるべき姿のレビュー、つまり、お祭りではなく、データに基づいて政策や実施体制を見直すプロセスに戻すことが求められていると感じました。
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