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男女の役割に変化を起こす~グアテマラの「ジェンダー平等促進プロジェクト」~

プログラム部
皆木 昭宏

America中南米

(2018/04/19更新)

地球の反対側からこんにちは。プログラム部の皆木です。2017年12月から、プラン・インターナショナルは、グアテマラ中部のアルタ・ベラパス県で、「ジェンダー平等促進プロジェクト」を実施しています。このプロジェクトは、外務省の日本NGO連携無償資金協力支援の資金を受けて実施しており、先住民の子どもたち、とくに女の子が学校に通える環境を整えることを目指しています。

男の子は学校に、女の子は家事の手伝い

プロジェクトの実施地域は、首都から車で10時間ほど離れたところにあり、先住民が多く暮らしています。この地域では、以前から、義務教育を修了しない女の子が大勢いることが問題になっています。中南米の国々では、「マチスモ」という男性優位の伝統的な考え方が根強く、女の子は男の子に比べてあらゆる場面で権利や機会を奪われています。女の子は、家事や子守りの担い手とみられ、「学校よりも家の手伝いを」と考える風習がまだ根強く残っています。そのため、男の子たちが優先的に学校に通っています。プロジェクトでは、コミュニティのリーダーや父兄、小学校の教師たちに対し、ジェンダー平等についての意識啓発活動を行い、気づきを促す取り組みをすすめています。

長年培ったコミュニティとプランとの信頼関係

2018年2月、コミュニティのリーダーむけに、第1回のワークショップを行いました。
ワークショップには、5コミュニティのリーダーなどの代表14人が参加しました。

対象のコミュニティのなかには、開催場所から1時間以上離れていて、雨が降ると四輪駆道車でさえも通行が困難になるところもあります。このような不便な状況にもかかわらず、参加者のほぼ全員が予定の時刻に集合しました。また、女性が参加してくれたのもうれしいことでした。

写真:第1回のワークショップに集まったリーダーたち

第1回のワークショップに集まったリーダーたち

この地域では、女性が家を空けることに否定的で閉鎖的な文化があるからです。これは、プランがこの地域で長年活動を続けることで築いてきた信頼関係によることが大きいと思います。

学校に行くのは男の子だけ!

ワークショップは、マヤ語で行われました。まず、「男の人」「女の人」の役割についての話し合いでは、参加者が自分自身のことに当てはめた意見が多く聞かれました。ある男性からは、「普段は恥ずかしいからあまり言わないけど、私は女性を大事にしている方だと思います。たまには、トルティーヤも作ったりして料理も手伝っていますよ」との意見が出る一方で、女性側からは「夫は畑仕事が忙しいことを言い訳に、家に帰っても家事を手伝ってくれません。

写真:積極的に参加する女性たち

積極的に参加する女性たち

十分な愛情表現もしてくれないので、大切にされているという実感がありません」などの意見が聞こえました。 このワークショップでは、皆積極的に発言をして盛り上がり、最終的には、「男女ともに、みんなが尊重されるべき」との意見で全員が合意しました。

  • ※グアテマラの主食で、トウモロコシ粉をこねて焼いた煎餅状の主食

ところが、自分のことから離れて、「男の子」や「女の子」の役割に話が及ぶと意見が分かれました。「学校に行くのは男の子だけでよいのか」と参加者に尋ねたところ、14人のうち、4人の男性が、「それでよい」と回答しました。理由は、「男性である自分たちが畑仕事をする間、女の子は家で幼い子どもたちの面倒を見なければならない」から。男女の役割に対する概念を変えることの難しさを身にしみて感じました。

ワークショップを終えて

ワークショップ終了後、プロジェクトの担当チームで振り返りを行いました。
「マヤの文化では、女性が人前で発言することはあまりないが、今日は女性を含む全員の参加者が自分の意見を述べていたのがよかったと思う」、「コミュニティのリーダーからは『村の住民にも今日学んだことを伝えたいが、そのときにはぜひプランの職員も一緒に参加して欲しい』との意見があがった」など前向きな意見が出ました。

写真:参加者同士、盛んに意見を交換しました

参加者同士、盛んに意見を交換しました

一方で、「当初 『男女の隔てなく尊重され大事にされる』ことの重要性には同意したにもかかわらず、その後の意見交換では『学校に通わせるのは男の子だけでよい』という声が複数名からあがった。引き続き、意識啓発活動をすすめていかないと」など、地域の抱える課題の根深さを再認識させられる場面もありました。

今後は、さらにコミュニティでの活動をすすめ、男女の隔てなく皆が学校に通える環境を目指したいと思います。

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