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【Girl’s Project活動報告】女の子の自立を助ける職業訓練~カンボジア~
女の子だから
(更新)
カンボジアの農村部では、「男性は収入を得る人」、「女性は家庭を守る人」という性別役割の意識が根強く、男の子の教育が優先される傾向にあります。農村部で一度も学校に通ったことの無い女の子は、18.8%と男の子より5%高く、彼女たちは教育機会に恵まれないまま、縫製や建設工事、農場での季節労働に従事。危険を伴う仕事に従事させられることもあります。また、男性雇用者からの性暴力や給与未払いなどの被害に遭うケースが多く報告されています。
「女の子の自立を助ける職業訓練プロジェクト」は、シェムリアップ活動地域、トボンクモム活動地域、ラタナキリ活動地域の3カ所で、女の子たちが安定した職を得て、必要なスキルを身につけ、経済力を身につけることを目指しています。
現在まで合計190人の女の子たちが職業訓練を受け、なかにはすでに商売をはじめた女の子もいます。2016年6月末まで、プロジェクトへの寄付を受け付けています。
商売の先輩たちによる「徒弟型」トレーニング
プロジェクトは職業訓練学校以外に、商売を成功させている経営者の協力のもと、弟子入りしながら学ぶ「徒弟型」の職業訓練を取り入れており、女の子は職業訓練学校と「徒弟型」の二つから自分に合った方法を選ぶことができます。「徒弟型」は専門の職業訓練校ではなく、経営者がトレーナーになって技術を教えます。訓練生はトレーナーの店で訓練を受けながら、見習いとして働きつつ、商売をするための実務を身につけていきます。経営者は女の子にとっては人生の先輩であり、技術を伝えるだけでなく、ロールモデルとして女の子の様々な相談にものっています。
洋品店の経営者として技術指導をしたリー・チューン・ヒークさん
「私はプロジェクトで5人の女の子を指導しました。5人の女の子たちは私の家に寝泊りしながら、技術を学びました。5人の女の子はとても厳しい境遇にあったので、私自身も彼女たちを応援したいと思いながら、指導しました。技術だけでなく、仕事をする心構えとして、誠実に我慢強く、仕事に対して努力を続けることやお客さんとのコミュニケーションなどについても指導しました」
職業訓練を受けて、縫製の仕事をはじめたソークンさん(24歳)
ソークンさんは左目の視力がなく、左足に障がいがあります。6人きょうだいの2番目として生まれました。学校が遠かったことと、経済的な理由により、小学校を6年生の途中で中途退学しました。家族にはキャッサバ栽培のための小さな畑がありましたが、キャッサバの価格が暴落してしまい大きな負債が残りました。わずかに所有していた農地も手放しました。ソークンさんは家計を助けるために働きたいと願っていましたが、重労働に従事するのは困難だと諦めていました。
自宅で縫製の仕事をするソークンさん
そんな時にプロジェクトについて知りました。両親と村長とともにプランと地元パートナーNGOを訪れて話し合った結果、縫製の仕事が身体に負担なくできるのではないかと言われ、職業訓練を受けることを決めました。地元で縫製を商売としている人に直接技術を教わり、一緒に訓練を受けた仲間とはとても良い友だちになりました。一生懸命訓練を受けた結果、トレーナーからは「一番優秀な訓練生」との評価を受けました。
ソークンさんは言います。「今まで自分で稼いで家族を助けることができるとは思っていませんでした。6カ月のトレーニングを経て、ミシンや商売を始めるための支度金も支給され、自宅で縫製の仕事を始めました。今では1日に1万から1万5000リエル(約300円から500円)の収入を得ることができるようになりました。自分に自信がもてるようになったのがとても嬉しいです」。今、ソークンさんは負債の返金を助ける一方で、自分自身の商売を拡大できるように、貯金も始めています。
今後も、ソークンさんのような女の子の訓練や就職支援などを続けていきます。
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