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ベトナムで教育プロジェクトがスタート。日本人職員が赴任
世界の各地から
(更新)
プラン・インターナショナルは日本政府のNGO連携無償資金協力を受けて、北部ライチャウ省、中部コントゥム省の少数民族地域の幼稚園91園と小学校76校を対象とした3年間にわたる教育改善プロジェクトを開始しました。
貧困にとどまる山岳地域で暮らす人々
ハノイから車で北に450キロ、車で約8時間移動した先に、プランが2013年10月に活動を開始したライチャウ省シンホー郡はあります。そこは、多くのバイクが行き交う活気にあふれた首都ハノイとはまるで別世界。見渡す限りの山々に棚田が広がり、機械を使わずに米を耕す人の姿がそこかしこに見られます。
9~10月は米の収穫シーズン
市場で野菜や果物を売るモン族の女性たち
郡の中心部から、さらに車で1時間半移動し、プランが活動する村へ。この地区の住民の約98%は少数民族で、62%以上がベトナム政府の定める貧困ライン(1日1.04ドル)未満で生活しています。村の中央にある幼稚園では、教室の外から、乳幼児を背負った少女が熱心に授業を眺めていました。11歳のチアです。冬には雪も降るこの地方で、チアの一家は、壁の代わりに薄いシートを貼っただけの家に暮らしています。
7人きょうだいの5番目のチアは、一度も学校に通ったことがありません。家では少数民族の言葉で話すため、ベトナム語は理解できず、ましてや読み書きもできません。このままの生活が続けば、チアはベトナム社会から取り残され、貧困から抜け出せなくなることは明らかです。
チアが暮らす村の幼稚園。5歳児教育が義務化されています
幼稚園では先生や保護者がつくった給食が提供されます
幼稚園・小学校の教育改善プロジェクトがスタート
このような状況にある少数民族地域を対象に、プランは日本政府のNGO連携無償資金協力を受けて、幼稚園と小学校の教育改善プロジェクトを開始しました。北部ライチャウ省、中部コントゥム省の幼稚園91園と小学校76校を対象として3年間活動します。
1年目の主な活動予定
- 教師間の学びあい・児童参加型授業の教師トレーニング(小学校教師約270人)
- ベトナム語指導の教師トレーニング(幼稚園教諭約140人、小学校教師約270人)
- 児童による読書推進活動(小学校11校)
- 教室・トイレ建設(3校7教室)
- 児童図書の支給(幼稚園91園、小学校76校)
- 地域の教育推進活動(約300人)
在ベトナム日本大使館で行われた契約署名式
対象校にある使い古された教科書
プロジェクトの責任者として、2016年9月下旬に奥村真知子職員が現地に赴任しました。
「ミャンマーの少数民族地域での教育支援を経て、今度はベトナムの少数民族の子どもたちを支える機会に恵まれました。赴任したばかりの頃は、清潔で選択肢にあふれたハノイの豊かさに面食らうほどでしたが、地方の事業地を訪ねると、同じ国とは思えない貧困を目の当たりにしました。学校の外で赤ちゃんを背に授業を覗き込んでいたチア。『おしん』を彷彿とさせる姿に、この国でもまだまだやるべきことが多く残っていることを強く感じています」
建設対象校の状況を確認する奥村職員
保護者が教育を支える環境づくり
プロジェクトの特徴は、教員の教育手法や授業スキルの向上を促し、子どもたちの学習成果につなげる教師トレーニングで教育の質を高め、教室・トイレ建設や図書支給で教育環境を整えるのと同時に、地域の教育推進活動を実施する点です。保護者や地域リーダー、幼稚園教諭、小学校教師らによる教育推進委員会を立ち上げ、各地域で教育の問題点を話し合い、その解決に向けた計画づくりを行います。これにより、地域住民が主体となって、より良い教育を推進するための姿勢や体制を築いていくことが目的です。
プロジェクトでは保護者の理解と協力を促進し、チアのような子どもたちすべてが教育を受け、質の高い教育を通してより良い未来を手にできるよう取り組んでいきます。
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