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コミュニティで就学前教育を推進~東ティモール~
世界の各地から
(更新)
東ティモールは2002年に独立し、18歳未満の人口が半分を占める若い国です。7割の人々が地方に住み、農業で生計を立てています。教育の機会もまだ十分にいきわたっているとはいえません。
プラン・インターナショナルは、教育省と地域社会と協力し、子どもたちが受けられずにいる就学前教育を推進するため、就学前教育プロジェクトを実施し、コミュニティ運営の幼稚園を設置しました。
就学前教育が受けられない背景
地方には、近隣に幼稚園がなく、また道のりも安全ではないため、ある程度の年齢になるまで子どもを自宅に留める家庭が大半です。そのため、就学前教育を受けている子どもたちは17%※に過ぎません。また、特に女の子は家事をする母親と一緒に家に留まり、自分の家族以外の人々と交流する機会が限られ、必要な社会的スキルを身につけにくい環境にあります。
幼いころから子どもたちが一緒に学び、遊ぶことができる空間を提供することは、女の子が自信をもち、小学校に入るために必要な感情的、認知的、言語的スキルを高めるために不可欠です。
仲よしの友だちと遊ぶナタシアさん(左)
- ※Unicef 『世界子供白書2016』
幼稚園で広がる学び
東ティモールの中部山岳地方のアイレウの小さな村に住む5歳の女の子ナタシアさんは、プランが設置したコミュニティの幼稚園に通っています。 遊び時間には仲よしの友だちと走り回り、また、持てる限りのおもちゃを手に、ピラミッドや城をほかの子どもたちと一緒に組み立てて遊びます。 遊びのみならず、「文字、数字、色について知り、読み書きも学べます!」とナタシアさんは楽しそうに話します。
すべり台で遊ぶ子どもたち
ボランティアへのトレーニング
子どもたちへの教育の質を高めるために、プランはコミュニティ・ボランティアのトレーニングも行っています。ナタシアさんのクラスを担当しているコミュニティ・ボランティアのイサベルさんは、この数カ月で起きた子どもたちの行動変化を誇らしげに話してくれました。「ほんの数週間で子どもたちはよくしつけられ、注意深く話を聞くようになります。自分であと片づけをし、おもちゃをほかの子どもと譲り合うことを学びます」
コミュニティ・ボランティアのイサベルさん(左)
子どもたちの変化
就学前教育プロジェクトに参加している子どもたちは、小学校に入学しても、無理なく授業についていくことができます。幼稚園での集団生活で社会性を身につけ、情緒的に安定するとともに、言葉および知的発達がすすみます。
ナタシアさんの母親も、すぐにこうした変化に気づきました。「幼稚園に通うようになってから、行儀がよくなり、私が話すときに注意して聞くようになりました。娘が絵を描いたり字を書くことに集中しているのをみるのが好きです。娘の将来が楽しみです」
描いた絵を見せる女の子
保護者向けの集会を開催
父親の子育てへの意識を高めるのは重要です。プランは毎週彼らのために集会を開き、ジェンダーの役割と責任についての理解を深めながら、子どもたちの学びや生活に、より関わるよう促しています。
アラウジョさんは、幼稚園に通う4歳の息子の父親です。「父親の子どもに対する義務は知っていましたが、それを果たしてはいませんでした。保護者の集会に出て、今は少しずつ実践しています。息子と遊び、学校での1日について話を聞き、子どもたちと会話します」と話してくれました。
ナタシアさんの母親と弟
コミュニティの幼稚園の出席率は、現在100%近くになっています。この成功の要因のひとつは、集会を通じて保護者への啓発をしたことです。プランの目標は、子どもたち、特に年齢があがるにつれ教育から遠ざかりやすい女の子たちへの教育の重要性を伝えることです。
コミュニティの幼稚園
引き続きプランは、東ティモールの子どもたちの教育環境の改善に取り組んでいきます。
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