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国際NGOプラン・インターナショナル、6月16日「アフリカ子どもの日」に新型コロナウイルス感染症がアフリカの女の子に及ぼす影響に警鐘 急増する女性性器切除、10代の妊娠、強制結婚「影のパンデミック」

プレスリリース

(2020/06/16更新)

国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、6月16日「アフリカ子どもの日」に際し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の中、アフリカ大陸の女の子たちが直面している危機的な状況に警鐘を鳴らし、彼女たちへの支援の必要性を強く訴えます。

世界中で猛威を奮っている新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、アフリカ諸国における子どもの権利やジェンダー平等の実現に向けた歩みを何十年分も大きく後退させ、特に弱い立場に置かれている大勢の女の子たちを取り残してしまう恐れがあります。プランは、国際社会との連携を密にして、アフリカにおいてさまざまな支援を続けています。

女の子たちを脅かす「影のパンデミック」

ロックダウンにより自宅待機を余儀無くされているアフリカの女の子たちの間には、生命を脅かす無言の「影のパンデミック」が拡大しています。取り残されたコミュニティの貧困家庭の女の子たちは、休校により教育の機会を失うだけでなく、飢えや児童労働、人身取引、早すぎる結婚や強制結婚、望まない妊娠や女性性器切除の犠牲となる危険が高まっているのです。
ロックダウンにより、彼女たちにとって必要不可欠な保健・医療サービスが閉鎖され利用できなくなることで、ウイルスとは別の死因で命を落す女の子が急増することが予測されています。実際に、15歳から19歳の女の子たちの死因のうち、妊娠合併症が最多を占めていると言われています。

アフリカ大陸の多くの国々は、新型コロナウイルス感染症の発症以前より、紛争、食料危機、経済破綻という三重の悲劇に見舞われていていました。中でも、蔓延するジェンダー規範により差別を受け過小評価されていた思春期の女の子たちは、破局的な状態に追い込まれていました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは上述の状況に拍車をかけ、ジェンダー不平等といった既存の格差を急激に拡大し、子どもたち、特に女の子たちが成長する環境に長期的な打撃をもたらし、時に命の危険にさらすことが懸念されています。プランは、国際社会との連携を密にして、アフリカにおいてさまざまな支援を続けています。

パンデミック下で増大している女の子の家事労働の負担

パンデミック下で増大している女の子の家事労働の負担

何ヶ月も学校に通えず、自宅待機を余儀無くされている女の子たち

何ヶ月も学校に通えず、自宅待機を余儀無くされている女の子たち

増加する「女性性器切除」(Female genital mutilation、FGM)

約9200万人の10歳以上の女の子や女性たちが女性性器切除(FGM)を受けていると推定されているアフリカの国々では、学校閉鎖や外出禁止令の発令により、女性性器切除(FGM)の施術が急増しています。
ソマリアでは、ロックダウンにより施術後、回復までの時間を十分に確保することができるようになったこと、また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で他の手段で収入を得ることが難しくなった施術師たちが女の子のいる家庭を戸別訪問していることなどにより、女性性器切除(FGM)を施す事例が急増しています。

エジプトでは、新型コロナウイルス自粛期間中に、自身の3人の娘を、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防接種をすると偽って医師のもとに連れて行き、女性性器切除(FGM)の施術を受けさせた父親と医師が起訴されました。エジプトのプランは、当局の迅速な対応を評価し、違法行為を犯した父親と医師が起訴されたことを全面的に支持する声明を発表しました。
プランの調査によると、アフリカの女の子たちの、結婚、教育、性と生殖に関する健康と権利といった人生を左右する選択は、圧倒的に父親に支配されていることが分かっています。

新型コロナウイルス感染症の流行により、女性性器切除(FGM)を防止するための取り組みが中断され、大勢の女の子たちの健康や福祉、レジリエンス(回復力)が脅かされています。

ジェンダーに基づく暴力の横行

アントニオ・グテーレス国連事務総長も度々繰り返しているように、ただでさえ不安定な立場に置かれる女の子たちが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの中では、ジェンダーに基づく暴力や虐待、搾取にさらされる恐れが高まり、さらに悲惨な状況に直面しています。
カメルーン出身の17歳、ソニアさんは、英語圏分離独立の内紛により、国内避難民となった68万人のひとりで、新型コロナウイルス感染症パンデミック以前には、教師になることを夢見て、プランが支援するコミュニティの学習支援センターに通い、勉学に励んでいました。しかし、パンデミック後、ソニアさんは学習支援センターには通うことができず、家計も急速に悪化したことから、衛生用品などの生活必需品の購入も困難となり、一日を家事に費やしている状況です。現在、彼女が最も恐れていることは、近隣で多発している性犯罪です。マスク着用の義務化が加害者に有利に働き、大勢の女の子たちがレイプなどのジェンダーに基づく暴力の被害者となっているのです。

家庭内暴力の増加

また、南部アフリカ諸国では、政府が6月末まで非常事態の延長を宣言し、国民に自宅待機を求めています。多くの女の子たちにとって、自宅待機は、虐待に遭遇する危険の増大を意味します。
モザンビーク出身の17歳、エルサさんは、暴力的な夫とその家族とともに終日を自宅で過ごすことは恐怖以外の何ものでもないと、息子を連れて婚家を離れる決心をしたと話します。「私は、母親のすすめで15歳のときに結婚しました。結婚すれば、夫が母親に毎月お金を送ると約束してくれたからです。結婚後は、学校を途中で辞め、夫の家族のために家事一切を担わなければなりませんでした。これまでも、何か間違ったことをする度に、私は、夫と家族に口汚くののしられながら叩かれていましたが、自宅待機の状況となり、事態は悪化しています」

危機状況下において、女の子たちは、有害な社会規範や慣習、年齢やジェンダーによる差別のため、より困難な状況に追い込まれます。新型コロナウイルスが原因で、現在7億4300万人の女の子たちが学校に通えなくなっており、その多くは、緊急時に急増する十代の妊娠や強制結婚が原因で、感染症の収束後に復学できる可能性は極めて低い状況です。

CEOアンネ・ビルギッテ・アルブレクトセン

プラン・インターナショナル CEOアンネ・ビルギッテ・アルブレクトセンのコメント

アフリカの各国政府は、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、性と生殖に関する健康と権利への資金拠出を優先すべきです。現在ロックダウン下にあり移動が制限されている国々では、性と生殖に関する健康サービスへの利用にまで制限をかけるべきではありません、女の子や女性たちが気兼ねなく通うことができるよう常に診療所を開放する、あるいは電話相談に応じる体制を整えておく必要があります。
一部の保守的な政府は、このパンデミックを機に、安全な妊娠中絶や避妊に対する制限を強化しようとしています。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を、長年かけて培ってきた性と生殖に関する健康と権利の実現に対する制限や後退の口実とすることは、断固として回避しなくてはなりません。
新型コロナウイルス感染症により、アフリカの多くの女の子たちが健全な子ども時代を奪われ、自らの力で人生を切り開く可能性を損なわれることが無いよう、プランは、国際社会との連携を密にして支援を続けます。

【プラン・インターナショナルとは】
子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGOです。創立は1937年。長年にわたり、子どもや若者、地域の人々とともに地域開発をすすめてきました。すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れています。

このリリースに関するお問い合わせ

公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
広報担当 平田・寺田
TEL:080-1017-4200
E-mail:press@plan-international.jp

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