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「女の子の自立を助ける職業訓練プロジェクト」を開始しました~カンボジア~
カンボジア
(更新)
プラン・ジャパンでは、カンボジアで「女の子の自立を助ける職業訓練プロジェクト」を開始しました。このプロジェクトでは、シェムリアップ州、トボンクムン州*とラタナキリ州の3州で、経済的な困窮や病気、障がいなどの理由で困難な状況にあり、学校に通っていない若年層の女性200人に職業訓練を実施します。
* 2013年にカンポンチャム州の一部が分離し、トボンクムン州となりましたが、カンポンチャム活動地域と表記しています。
美容コースは女の子に人気が高い
プロジェクトの背景
経済成長の一方で、東南アジア周辺国からの熟練労働者の流入により労働市場の競争激化が予想されるカンボジア。教育や職業訓練の必要性が増すなかで、特に若年層の女性が自立できる仕事を手に入れるための職業訓練は重要な意味をもちます。
多様な職業訓練を通じた自立支援
縫製コースでミシンの使い方を学ぶ女の子たち
各州にある公立の職業訓練校において、美容(髪とメイクアップ)、裁縫、養鶏、結婚式の着付けや式場の飾り付け、地元料理などの職業訓練を実施します。多様なコースの中から、研修生がそれぞれの適正や希望、スケジュールなどに合わせて、自分に合ったコースを選択し、7カ月間のトレーニングを受けます。また、経済的な理由で訓練を続けるのが難しくなった場合には、生活費を家族に支給し、継続できるように支援します。さらに、訓練修了後は雇用主に働きかけ、インターンシップの機会の提供や、就職支援を行います。また、訓練生自身が起業する場合には事業立ち上げに必要な備品などを支給する予定です。
多様なパートナーシップ
プロジェクトでは、1)家族や地域、2)職業訓練校、3)雇用主、4)行政と地元NGOという4つの関係者とプランが連携しながら事業を進めます。家族や地域は、訓練生が職業訓練を受けられる環境づくりに協力し、プランは地元NGOと協力しながら、女の子の権利や経済力を身につける重要性に関する意識啓発活動を行い、家族と地域の理解を深めます。
また、職業訓練校は訓練生が研修を修了できるようにサポートし、質の高い訓練を提供します。さらに雇用主は、求人状況や実際に求められる職能に関してインプットを行い、訓練中に臨時講師をつとめることもあります。行政面のパートナーである職業訓練局(The Department of TVET Management)、州労働職業訓練省は、職業訓練の質を保つとともに、現場と雇用主との関係強化とネットワークづくり、さらには、雇用側の労働に関する法律の遵守に関して是正指導を行います。職場における性暴力や給与未払などの嫌がらせの被害に遭うケースが多く、特に農村地域の女の子や女性は労働組合への加入率も低く、危険な仕事に従事させられることも多いことから、女性にとって安全な職場環境を整備する事は重要です。また、職業訓練や障がい分野を専門とする地元のNGOは行政に対し、必要に応じて専門的な助言を与えます。
現地担当者からの声
スオス・ソバン/プラン・カンボジア生計向上専門家
「女の子が職業スキルを身に付け、その結果、女の子のエンパワーメントが進むことは、家族と地域全体の豊かさにつながることを人々に知ってもらいたいです」
ネップ・マンチャング/プラン・カンボジア職業訓練プロジェクト担当スタッフ
「特に男の子と比べて就職が難しい女の子を対象に職業訓練をします。このプロジェクトを通して興味のある職種のトレーニングを受けることができるのです。就職の機会が得られることで、早すぎる結婚と不法な出稼ぎ移民となるリスクを減らすことが出来ます」
アン・サム・アン/プラン・カンボジア家計向上担当スタッフ
「学校を中途退学した、もっとも経済的に厳しい女の子たちを対象にしています。労働市場のニーズに基づいた職業訓練を受けて、就職するか、自分で起業するかの選択肢を得ることが出来ます。収入が増えることで危険な出稼ぎを防ぐことが出来ます」