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HIV感染予防と差別のない地域づくりを目指して~ジンバブエ~
アフリカ
性と生殖に関する健康と権利
(更新)
ジンバブエ、ミッドランズ州では、HIV感染予防と差別のない地域づくりプロジェクトを2016年10月より実施しています。2017年3月までの期間では、HIV感染リスクが高まる思春期の子どもたち・若者(15~24歳)を対象に、意識啓発イベントやスポーツ大会の実施、ピア・エデュケーター(学びの友)の育成をすすめました。
また、性感染症について学べる情報センターの設置などを通じて、HIVとエイズに関する正しい知識や自分の健康を守るための方法を学ぶ機会を提供。感染予防の促進と偏見なく感染者を受け入れる地域づくりに取り組んでいます。
スポーツ大会を通じた意識啓発
ミッドランズ州で開催した、スポーツを通じた青少年教育のイベントYouth Education through Sports(以下YES)には、プレーヤーと観客あわせて1500人(うち女の子856人)もの子ども・若者が参加しました。大会参加者は、バレーボール、サッカー、ネットボールなどで競い合いました。YES大会では、参加チームの勝敗が、競技だけではなく、「地域での奉仕活動(植林や清掃)」や「HIVとエイズの啓発のための歌と踊りのパフォーマンス」も含まれることが大きな特徴です。そのため、子どもたちは、大会に向けてサッカーやバレーボールの練習だけでなく、HIVとエイズに関する正しい知識を学ぶことが、試合で勝つために必要になります。大会では準備してきたパフォーマンスを披露した後、審査委員たちがクイズを出し、正しく回答することでスコアを得ることができます。応援に駆けつけた観客もその様子を観ているため、競技に直接参加しない子どもや保護者にとっても、性と生殖に関する健康と権利や性感染症の正しい知識を知る機会になります。
女子サッカーチームのメンバー
男子バレーボールチームのメンバー
ピア・エデュケーターの育成
140人(うち女の子70人)の思春期の子どもたちや若者に、同世代の仲間同士で教え合うピア・エデュケーションのトレーニングを提供しました。ピア・エデュケーションの教育手法では、最も身近な存在である同世代の仲間(ピア)が、情報の提供や、相談役となることで思春期の若者が抱える課題や悩みの解決を図ります。
ピア・エデュケーターのメンバーは、中学校の生徒と学校に通っていない若者から構成され、グループでの話し合い、カウンセリング、視覚教材、メディアなどさまざまな手段を通して情報を伝達する術を学びました。「思春期の性と衛生習慣」「HIV感染予防」「早すぎる妊娠がもたらす影響」「薬物乱用の危険性」などについて学んだ140人のピア・エデュケーターが、2406人(うち女の子1465人)の同世代の仲間に学んだ知識を共有しました。こうした取り組みの結果、各学校では子どもたちの意識・行動によい変化が見られるという声があがっています。
ピア・エデュケーターのメンバー一同
同世代の仲間に情報を効果的に伝える手法を学ぶメンバー
メディアを通じた意識啓発
「世界のこどもの日」記念イベントとして、「思春期の性と生殖」「早すぎる妊娠・結婚」などをテーマにパネルディスカッションを行いました。プロジェクトで育成したピア・エデュケーターのなかから選ばれた10人が、パネルディスカッションに参加しました。イベントの様子はジンバブエの国営テレビとラジオで生放送され、全国の視聴者の目に留まる機会となりました。録画された映像は、対象地域の学校や性感染症について学べる情報センターで上映するなど、今後の活動でも活用する計画です。
世界こどもの日のパネルディスカッション
当日のパネラーとして参加したピア・エデュケーターの女の子は「『世界の子どもの日』に行われたパネルディスカッションがラジオやテレビで報道されたのは忘れられない体験となりました。テレビを観た人から『あなた完璧だったよ!』と言われたり、学校では私の体験談を、みんなが驚いて言葉がでないといった様子で聞き入ってくれました。都市から遠く離れた農村部で生まれ育った私にはどれも貴重な体験でした。これからも同世代の人たちが直面している早すぎる妊娠・結婚の問題や、HIV感染予防を促進する活動に取り組んでいきます」と語りました。
ピア・エデュケーターとしての研修を受け、HIVとエイズに関する正しい知識や自分の健康を守るための知識とコミュニケーション方法を身につけた子どもや若者たちが、引き続き地域において、感染の予防促進と感染者に対する偏見のない地域づくりを担えるようにこれからも支援していきます。
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