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「南スーダン難民の子どもの保護」プロジェクトが始まりました~ウガンダ~
ウガンダ
グローバル・プロジェクト
(更新)
2018年4月から、ウガンダの「南スーダン難民の子どもの保護」プロジェクトが、グローバル・プロジェクトに加わりました。この機会に活動を拡大して、より多くの子どもたちの支援を目指します。
このプロジェクトは2017年10月からジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受けて実施してきました。2018年2月からは、日本人職員が現地に駐在して事業統括を行っています。これまでの活動について報告します。
抱えている悩みを一緒に解決
食料や物資支給のような、限られた時間内に大勢の人々に効率的に支援する活動の一方で、個々人が抱えているその人特有の問題を一つひとつ一緒に解決していく活動も行っています。傷病や障がいのある人、家庭内暴力に悩む人、子どもだけで生活する世帯など、難民の人々が抱える問題は人それぞれです。すぐに何らかの支援ができる場合もあれば、複雑な事情が隠れていて、対応の方法を考える必要があることも。そのために最前線で働いているのが、ケースワーカーです。
支援が届かない幼い姉弟
ケースワーカーが関わった一例をご紹介します
南スーダンの自宅が襲われ両親が行方不明となった8歳と3歳の姉弟は、親戚と一緒にウガンダの国境まで逃れ、その後はウガンダの難民居住区にいた叔母に引き取られました。その叔母はひとりで自分の子ども2人を育てながら、甥と姪の2人の世話をすることに。難民居住区では難民登録が必要ですが、叔母は事情をよく理解しておらず、甥と姪を登録していませんでした。
丁寧な聞き取りから問題が発覚
難民登録されていない幼い姉弟は難民として数えられず、叔母が毎月受け取る食料は自分とその子どもの3人分だけ。育ちざかりの子ども4人分と自身の食事の準備に苦労していた叔母は「配布食料が足りない」とケースワーカーに相談しました。ケースワーカーが時間をかけて叔母の話を聞いたところ、ようやく姉弟の難民登録がされていないことが判明しました。姉弟は学校にも通っていないことが分かり、ケースワーカーは難民申請の手続きを手伝い、あわせて難民居住区にある小学校と幼稚園へ通うための手続きも行いました。
日常生活を取り戻す大切さ
ケースワーカーは定期的にこの姉弟と叔母と面会し、状況を確認しています。もっとも心を痛めたのは、2人が「お父さんに会いたい」と泣き続けることです。突然両親が姿を消した心細さと、安定した生活が一変してしまったストレスが原因と思われました。少しでも難民居住区での生活を母国での生活に近づけるように、不足している衣類や毛布などの日常品を叔母の家に届け、2人がほかの子どもたちと一緒に学び、遊べるような支援も行っています。また離散した家族を追跡する国際的なシステムへの登録も手伝いました。
無邪気な表情をみせる難民居住区の子ども
ケースワーカーたちと駐在員の西田職員(前列右)、出張者の道山職員(前列左から2番目)
食料が足りないといった表面的な問題だけではなく、難民登録の有無や日常生活を失った子どもの気持ちなど、問題の根本原因を探し、どうすれば問題を解決できるのかを考え、具体的な支援を通じて問題を解決する。このようなケースワーカーたちが扱う課題はすぐに解決できないことも多く、忍耐強く、長期的な取り組みが必要です。
プランは、紛争の影響を受けた子どもたちが、幸せな、平和な暮らしができるような将来のために活動しています。