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ベトナム便り ~小学生の学校生活編、最終回・第18号をお届けします。
プログラム部
船越 美奈
Asiaアジア
ベトナム便り
(更新)
シンチャオ!
3年間のベトナム勤務を終え、2016年1月末に帰国しました。これまで18回にわたってお届けしてきたベトナム便りも、いよいよ今回が最終回。最後に、少数民族の子どもたちの学校生活をご紹介します。
小学校入学と同時に寮へ
ベトナムの山岳地域には、学校が家から遠いために寮生活を送る子どもたちが多くいます。少数民族モン族が多いハザン省のナンマ小学校でも、児童250人中135人(54%)が寮で暮らしています。9歳のニエップも、その一人。小学校に入学した2年前から、兄のヒエップ(10歳)とともに、平日は学校に泊まり、週末は家に帰る生活を続けています。
寮で暮らす9歳のニエップ。1つのベッドを2~3人の子どもが共有する
教科書・学用品以外に家から持ってきたものは、Tシャツ・サンダル・髪飾りのみ
ニエップたちの家は、学校から7キロ離れています。毎週金曜日の授業が終わると、山道を3時間歩いて家に帰り、日曜日の午後にまた3時間かけて学校に戻ります。家に帰ると、ニエップは薪拾いや皿洗い、ヒエップは水牛の世話など、親の手伝いで忙しく過ごします。家に1冊の本もないニエップは、「学校では絵本を読むことができるし、友だちと遊ぶことができるのでうれしい」と言います。
寮生活を支える教師たち
寮では、朝6:00に起床し、21:30に就寝する子どもたち。ナンマ小学校では、教師15人中7人が学校に寝泊まりし、子どもたちの日々の生活の面倒を見ています。朝・昼・夜の食事を用意するのも、先生の役割です。政府の補助は寮生1人あたり月46万ドン(約2500円)に限られており、1日あたり約120円の食費でやりくりしなくてはなりません。
寮での昼食風景
この日のメニューは、ご飯(たくさん)、豚肉(2~3切れ)、野菜スープ
ナンマ小学校で18年間教師として働いている、フエン先生(38歳)にお話を伺いました。「小学校に入学したばかりの子どもたちは、夜中に泣き出すことも多いため、教師たちは寝る間もなく面倒を見ています。貧困家庭の子どもは衣類や文具の予備を買うこともできないため、教師がこれらを用意することも少なくありません。仕事は本当に忙しく、大変です」
そう語るフエン先生ですが、2007年からは、プラン・スポンサーシップのボランティアもしています。「外国のスポンサーから手紙を受け取ると、子どもはとても喜び、返事を書くことも楽しんでいます。スポンサーの支援によって子どもたちの生活が改善されていくのを目にしているので、ボランティアも続けていきたいと思っています」
皿洗いや掃除をする寮生たち
教育の鍵となる親の理解
この地域の住民の多くは農業で生計を立てており、現金収入はほとんどありません。中には国境を越えて中国に出稼ぎに行く親たちもいますが、騙されてほんの少ししか支払いを受けられなかったり、1年に2~3日しか帰ってこなかったり、一切帰ってこないケースもあります(人身取引被害者の可能性もあります)。
ナンマ小学校の近くに暮らす、カイさん(36歳)は言います。「夫と私は、一度も学校に通うことができませんでした。今、貧困に苦しんでいるのは、そのことが原因だと思います。子どもたちに家のことを手伝ってもらえたら楽だろうと思う反面、子どもにはより良い未来を手にしてほしいので、4人の子どもは全員学校に通わせています」
カイさん(左)一家の家。木と土壁の2間に、夫と4人の子どもが一緒に暮らす
居間兼キッチン兼寝室で、お米を炊いているところ
少数民族の子どもたちが安全な水を飲み、十分な栄養を摂り、衛生設備を使うことで健康に日々を過ごす。小学校を卒業し、中学・高校へと進学し、将来困らないだけのベトナム語力を身に付ける。そしていつか、自分がやりたいと思った仕事ができるようになる。そんな社会の実現に向けて、教師、親、さらに地域の多くの人々が協力して取り組んでいます。
プラン・ジャパンでもこれらの変化を後押しすべく、ベトナム少数民族地域における新たな教育プロジェクトの開始に向けて準備を進めています。引き続き、応援をお願いいたします。
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