- 国際NGOプラン・インターナショナル 寄付・募金で世界の女の子を支援
- プラン・ブログ
- 現地スタッフとの学びあいが防災を強化
現地スタッフとの学びあいが防災を強化
プログラム部
曽我 建太
アジア
(更新)
プラン・インターナショナルプログラム部の曽我です。「災害に強い学校世界プログラム」を担当しています。このプログラムは、自然災害の影響を受けやすいアジア地域で、学校施設の改修や防災マニュアルの作成、防災に関する啓発活動などを行う支援です。
ネパール・カトマンズでの会合に参加
2017年3月、「災害に強い学校世界プログラム」の年次会合がネパールのカトマンズで開催されました。プラン・インターナショナルのアジア地域の活動国と支援国から、防災・減災プログラムの担当者約30人が集い、各国の取り組みや課題について話し合いました。また、参加者全員でネパールにおける「災害に強い学校世界プログラム」の実施対象校も視察し、どんな成果が見られるか、どんな改善ができるかについて話し合いました。
子ども同士で学びあう防災対策の大切さ
プログラムの成果を確認するための視察では、「耐震補強工事を実施したおかげで、2015年に発生した大地震でも校舎にはヒビひとつ入らなかった」という素晴らしい成果を確認できた学校もありました。
一方、ある学校の子どもたちに聞き取り調査をしたときのこと。学校周辺にある災害リスクについて尋ねると、河川の水位上昇(雨季に川の水位があがり、周囲が水に浸かってしまう状態)が主なリスクとしてあげられました。スタッフが「みなさんは泳げますか?」と問いかけると、「泳げない」と答える子どもたちが過半数近くを占めました。
こうした状況に、同じく洪水が頻発する国から参加していたスタッフは首をかしげていました。
「私の国で実施しているプログラムでは、川の水位上昇(洪水)が災害リスクとして確認された時点で、防災委員会の子どもたちが中心となり、泳げる子どもが泳げない子どもを指導する活動が必ず盛り込まれる。泳げることが命を守ることに直結するはずなのに、どうしてしっかり行われていないのか?」と驚いていました。
現場の意見を尊重する姿勢が改善につながる
このように、同じプログラムを担当している他国のスタッフが視察することで、多くの気づきがあります。自国で実施しているプログラムと比較して、「これはどういうこと?」「なぜ?」といった疑問が湧いてきます。それが率直に現場のスタッフにフィードバックされ、対話が始まります。
外国からやってきた私たちが現地スタッフとの話し合いの際に注意すべきことは、限られた情報で判断して、断定的な助言や指導を行なってしまわないようにすることです。あくまでも自分は外部からの一時的な訪問者で、活動の一部を見聞きしたに過ぎないことをわきまえて、現場の状況を最もよく知っている現地スタッフの意見を尊重する気持ちを忘れないこと。「うちの国ではこんな取り組みをしている」「こんな風に取り組むこともできるのでは?」と参加者の経験を共有することで、具体的にどんな手段を取れば改善していけるか、その選択肢をお互いに学び合う姿勢が大切です。
「災害に強い学校世界プログラム」は、プランがグローバルに取り組んでいるプログラムです。プログラムでは、アジア地域統括事務所が調整し、アジア地域での年次会合だけでなく、各国の担当者に専門的なトレーニングや技術的なサポートも提供しています。プログラムの質を高めるために、こうした学び合いの場やサポート体制があることは、プランの強みだと思います。
引き続き、プランが持っているリソース、地域のリソースをつなぎあわせ、プランが支援した地域に「災害に強い学校」が根付くよう活動を推進していきます。
関連リンク
あなたの寄付で、誰かの人生に可能性が生まれる。
公式SNS
世界の子どもたちの今を発信中