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児童婚をなくす取り組みに情熱を注ぐ女の子~モザンビーク~

世界の各地から

更新)

写真:ユーニスさん

ユーニスさん

アフリカ南東部に位置する国、モザンビーク出身のユーニスさん(18歳)は、女の子の権利推進と、サッカーの2つに情熱を注いでいます。どちらも勇気と努力、そして強いチームスピリットを必要とするものです。
ユーニスさんが暮らすイニャンバネ州のコミュニティでは、彼女は熱心なサッカー選手としてだけでなく、女の子の権利の代弁者としても知られています。

女の子に選択肢はないと思っていた

写真:「チャンピオンズ・オブ・チェンジ」のグループ活動

「チャンピオンズ・オブ・チェンジ」のグループ活動

ユーニスさんは、13歳のときにプラン・インターナショナルの「チャンピオンズ・オブ・チェンジ」プログラムに参加し、性と生殖に関する健康と権利について学びました。

「それまでは、自分の権利についてほとんど何も知りませんでした。早すぎる結婚(児童婚)や10代での妊娠を身近でたくさん見かけましたが、自分がそれに対して何かできるなんて考えたこともありませんでした」と当時を振り返ります。

「ここは遠隔地にある忘れられたコミュニティでした。私たちに選択肢があるとは思えませんでした。女の子が自分で決断を下すことさえ難しいことだからです。プランから、私たちの権利のために立ち上がることを奨励されたときも、はじめは混乱した気持ちでした」

モザンビークの女の子たちが置かれている現状

写真:16歳で両親に児童婚をさせられたモザンビークの女の子

16歳で両親に児童婚をさせられたモザンビークの女の子

世界で最も貧しい国のひとつと言われているモザンビーク。女の子や女性たちは、健康や人権などの面で依然として多くの問題に直面しています。特に児童婚と若年妊娠が大きな課題です。モザンビークでは2019年に法律で18歳未満の児童婚が禁じられましたが、女の子の53%が依然として18歳未満で結婚しています。さらに、20~24歳の女性の40%が、18歳になる前に出産しています。児童婚をした女の子の多くが、教育を継続できずに中途退学を強いられています。また身体が未発達な状態での早すぎる妊娠・出産は体に大きな負担を強いるため、後遺症が残ったり、最悪の場合は死に至ることもあります。

ユーニスさんはなんとか高等学校まで卒業することができましたが、周りの友人たちの多くは中途退学をし、10代で結婚、出産を経験しています。
「私の友人の多くは、母親になる準備ができていないまま子どもを出産しています。今、彼女たちには収入も教育もありません。多く家庭では娘を若くして結婚させる理由は貧困にありますが、そのことが結果的に貧困の連鎖を招いているのです」と地域の現状を話してくれました。

児童婚を阻止するためにユース・グループの活動を開始

写真:笑顔で語るユーニスさん

笑顔で語るユーニスさん

13歳で初めて「チャンピオンズ・オブ・チェンジ」の研修に参加してから、ユーニスさんはプランが提供するすべての研修や講座に参加しました。徐々に知識と自信を身につけた彼女は、コミュニティにユース・グループを作ることを決意。
現在、メンバーは10人おり、ユーニスさんはプランの研修で学んだ知識やスキルを仲間たちに共有しています。メンバーたちは、18歳未満での結婚はモザンビークでは法律で禁止されていること、そして、無防備な性行為が予期せぬ妊娠や性感染症につながることなどを、地域の子どもや若者たちに伝えています。さらに、大人たちにも児童婚は有害な伝統であり、女の子にも男の子と同じように学ぶ権利があることを理解してもらう働きかけも行っています。
ユーニスさんたちのユース・グループは、これまでに15件の児童婚を阻止し、約100人の妊娠中の女の子が学校の勉強を続けられるように支援してきました。

ユーニスさんは「コミュニティの人たちから反対意見を言われたり、軽蔑されたりすることもあります。若者のなかにも、私たちの活動に懐疑的な人もいます。年長者のなかには私たちが広めようとしている価値観が間違っていると考えて怒っている人もいます。しかし、私たちは諦めていません。グループは広く知られるようになり、児童婚が行われる情報を入手した人々が私たちに連絡してくれるようになりました」と語ります。

女の子だけのサッカーチームが自信をもたらす

写真:ユーニスさんの姉、カシミラさん

ユーニスさんの姉、カシミラさん

ユーニスさんの熱心な取り組みは、彼女の姉カシミラさん(34歳)にもよい影響を与えました。カシミラさんの本職は保育士ですが、有害なジェンダー規範と闘うための自信を女の子たちに身につけてほしいと考え、女の子だけのサッカーチームを作ることを思いつきました。

「私はコミュニティの女の子たちのことが心配でした。私が若い頃、十分な情報やサポートを得られなかったときに抱いた幻滅を、彼女たちも感じていることがわかったからです。ユーニスと一緒に幼いときから親しんでいたサッカーを活用して何かボランティアができないかと思ったのです」

カシミラさんは家々を訪問し、女の子たちをサッカーの練習に誘いました。すぐに20人ほどが集まりましたが、なかには、女の子がサッカーをすることを不適切だと考え、娘たちに参加を禁じた親たちもいました。

「ユーニスや他の女の子たちと一緒に練習を始めばかりの頃は、女の子たちの多くは内気で控えめでしたが、チームのおかげで彼女たちはより強くなり、オープンになりました。サッカーは私たちのコミュニティでも確実に受け入れられ始めています。この変化を誇らしく思います」と語ります。

写真:サッカーを練習する女の子たち

写真:サッカーを練習する女の子たち

サッカーを練習する女の子たち

将来はジャーナリストに

写真:撮影カメラを興味深そうに見ているユーニスさん

姉のカシミラさんと力を合わせて、コミュニティの女の子たちの現状を変えようとしているユーニスさん。将来は首都マプトの大学に進学したいと思っており、ジャーナリストになって、女の子たちを取り巻く現状を広く伝えたいと話します。プランの支援を受け、ジャーナリストに必要なスキルを学ぶ3カ月間の職業訓練コースを修了。すでに地元のラジオ局でいくつか仕事をしました。

「児童婚と女の子への差別がなくなるまで、女の子の権利の問題を取り上げるのをやめるつもりはありません。コミュニティで目にした不当な行為が、ジャーナリストになるための仕事を続ける力になっています。夢をあきらめた女の子をたくさん見てきました。若者たちが児童婚のせいで希望を失っていくのはもう終わりにしたい。私たちは行動を起こさなければなりません」と力強く語りました。

モザンビークの女の子たちの未来のために、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

写真:ガールズ・プロジェクト

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