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【完了報告】ベネズエラ避難民と地域住民支援~ペルー~
ペルー
(更新)
政治的混乱が続く南米ベネズエラでは、学校や病院の閉鎖や極度のインフレによる物価急騰、物資不足により国民の生活が困窮しています。プラン・インターナショナルはペルーで、ジャパン・プラットフォーム(以下、JPF)の資金を受けて、エクアドルとの国境近くの町ピウラと、世界遺産マチュピチュで知られるアンデスの高地クスコの2市で、「ベネズエラ避難民およびホストコミュニティ住民の保護プロジェクト~Amistad sin frontera(友情に国境なし)~」を2019年9月から実施しました。
避難民と地元住民が交流するイベント
途中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、活動期間を2カ月延長し、2020年4月末に活動を完了しました。
ピウラ市、クスコ市で合計約1200世帯を支援
女性用衛生防犯用品の配布
活動内容
- 冬物衣料の支給(クスコ市のみ)600人
- 調理用具、寝具など生活用品の支給 500世帯
- 衛生・防犯用品の支給 女の子と女性1200人
- 保健医療や教育サービスへのアクセスなどの説明会 参加者1611人
- 保健、教育など個別対応の支援 21件
- 子どもが安全に遊べる「子どもひろば」※の運営 6カ所
- 避難民とペルー人の交流イベント 参加者838人
- ※「子どもひろば」
災害・緊急時に、子どもの保護と心のケアのために設置・運営されます。現地では、混乱のなか、子ども、とりわけ女の子は虐待や搾取の対象となる危険性が高まります。子どもたちが一日もはやく日常を取り戻せるよう、遊びや学習を取り入れることで、子どもたちが抱えるストレスを軽減させ、自尊心を育み、自分を守ることができるようになることも視野に入れて活動します。また、保護者も含めた子どもの保護への理解を深める場としても重要です(詳しくはこちら)
新型コロナウイルス感染拡大による想定外の活動変更
当初2月末に事業の終了を予定していましたが、子ども広場の運営継続を求める声が大きく、1カ月の事業延長を決定。そんな折の3月6日、ペルーで最初の感染者が報告されました。16日にはペルー大統領府は国家緊急事態を宣言し、国境封鎖と厳しい外出制限が始まりました。プロジェクト完了にむけて多忙の日々を過ごしていたスタッフも在宅勤務を開始し、残りの業務を完遂しました。予定していた説明会やイベントは中止を余儀なくされ、個別で支援していた妊婦や治療が必要な子どものいる世帯へのカウンセリングなどもスタッフが自宅から行いました。
一方、外出制限で収入の道を絶たれた多くのベネズエラ避難民からは食料支援の要請が相次いだため、プランは、寄付者であるJPFの承認を受けて支援計画を組み替え、食料と衛生用品の配布を決定しました。ただし、作業はすべて遠隔でしなければなりません。そこでプランは地元のスーパーマーケットと連携して物資を調達、580世帯に引換券をSNSで配信、各世帯の代表が指定の日時に指定のお店で支援物資を受け取れるよう手配しました。一時しのぎの支援ではあるものの、食料と衛生用品を受け取った世帯にとっては大きな励みとなりました。
スーパーマーケットで食料を受け取る避難民
食料・衛生用品を受け取って帰宅
現在のペルーの状況とプランの対応
3月16日の国家緊急事態宣言の発令以降、国境封鎖、夜間・日曜の外出禁止、外出時のマスク着用が義務付けられています。移動の自由は生活必需品の購入のみで、男性は月水金、女性が火木土のみ外出が許されています。それでも感染者は増え続け、6月21日現在ペルーの感染者は24万7000人以上、死者は約7600人にのぼり、ブラジルとともに非常に深刻な状況です※。
プランはリマ、ピウラ、ロレト、クスコのすべての活動地域で、感染防止のための衛生指導、食料や衛生用品の配布、女の子や女性への暴力防止キャンペーンなどを行っています。
地元のホテルで食料セットを受け取るチャイルドのお父さん
「マスクをしていても声をあげよう」(子どもへの暴力防止キャンペーン)
ペルーに暮らす100万人を超えるベネズエラ避難民には、政府による直接的な支援はほとんどありません。移動の制限が続き、収入が得られない中、新型コロナウイルスに感染して亡くなった人々の遺体の処理や感染者のケアなどの厳しい仕事にベネズエラ避難民が就くケースが増えています。
日本からの寄付で実施してきたプロジェクトはこれで一旦終了します。しかし、ペルーのプランが実施している緊急支援で、引き続き社会の底辺に取り残されているベネズエラ避難民への支援を実施していきます。