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スーダン危機から1年:女の子たちが語る紛争の過酷な現実
グローバル・プロジェクト
スーダン
(更新)
2023年4月15日に、アフリカ北東部のスーダンで大規模な武力衝突が発生しました。「スーダン危機」として知られるようになったこの紛争は、発生から約1年が経った今もなお、多くの子どもたちや家族の命と安全を脅かし続けています。
「世界最大の避難民危機」とも呼ばれる状況に陥っているスーダンで、子どもたちは今何を思いながら日々を暮らしているのでしょうか。この記事では、避難生活を送る女の子たちが語った過酷な現実をお伝えします。
“スーダンの女の子を代表して伝えたい。私たちを家や学校に戻してください”
14歳のアンガムさんとその家族は、首都ハルツーム南部にあるアルジャジーラ州の町に住んでいましたが、戦闘の激化を受け避難を強いられました。現在は、カッサラ州の学校で家族と避難生活を送っています。
「本当なら今頃は中学3年生でした。今は学校の事務所で寝起きしています。友だちがいなくて寂しいです。故郷の友だちに何が起こったのか分かりません。先生や学校、家が恋しいです。きょうだい、両親、祖母と一緒に、地面で寝ています。病気の祖母もいて、ここでの生活は苦しみでいっぱいです。
未来がどうなるかは分かりません。スーダンのすべての女の子たちを代表して、私は国の指導者たちにこれらの問題を解決し、私たちを家や学校に戻すよう訴えます。私たちの夢は打ち砕かれました。私の夢は父のような医師になることでした。国内の状況が安定し、私たちが家や学校に戻れることを願っています」
“私の唯一の願いは父と再会することです”
12歳のハリマさんは、首都ハルツームから脱出し、現在は学校内の避難民キャンプに暮らしています。
「私はハルツームから避難してきました。銃声や大きな爆発音を聞いたのは初めてで、直接の銃撃は何とか免れましたが、隣人や近隣の家々が標的にされて破壊されました。今は、紛争のため休校になった学校で暮らしています。これまで通っていた学校に行けなくなり大きな失望を抱いています。いつも悲しく、動揺し、不安を感じています。
プランが私たちの避難民キャンプで問題集を配布してくれました。言葉では言い表せないほどとても嬉しかったですし、やる気も出ました。
今の私の唯一の願いは、自宅に戻って父に会うことです。父はまだハルツームにいます。電話はもう繋がらず、最後に話してからかなり時間が経ちました。父のことが心配で、いつも『お父さんはどこにいるんだろう』と考えてしまいます。父に何が起こったのでしょうか。父はどうしているの?まだ生きていますか?
父と会えて初めて、前と同じように学校に戻ることや、日常生活のことを考えられると思います」
“水や食料が足りず、医療サービスや教育を受けることもできません”
14歳のマイさんは、現在、国内避難民キャンプとして使用されているダルフール地方の学校で生活しています。
「紛争が激しくなったとき、私たちは現在いる学校に身を寄せました。今もこの学校が人々の避難所として使われています。他の地域から避難してきた人々でひしめき合っているため、水や食料も足りず、医療サービスや教育を受けることもできない状態です。全員が1つの教室で寝なければなりません。
再開している学校がないなかで、プランが仮設の学習スペースを作りました。私たちはそこで再び勉強しています。人々を助け、役立つ人間になりたいという夢を叶えるために勉強を続けたいです。学ぶための空間があれば、私たちは明るい未来にむけて最善を尽くすことができると信じています」
数字でみるスーダン危機から1年
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2023年4月以降、約850万人(うち約650万人が国内避難民)
※1が避難を余儀なくされている -
約2500万人(うち1400万人以上が子どもたち)
※2が緊急の人道支援を必要としている - 約1770万人が深刻な飢餓に直面している
- 紛争の影響を受けた地域では医療施設の70%以上が機能していない。コレラやデング熱、はしか、マラリアなどが流行しているなか人口の3分の2が医療を受けられない。
プランがスーダン国内と近隣諸国で実施している緊急支援活動
プランはスーダン国内では首都ハルツームのほか、白ナイル州、カッサラ州、北コルドファン州、南コルドファン州、北ダルフール州において、水と衛生、食料配布、緊急下の子どもの保護と教育などの分野で支援活動を行ってきました。これまでに、計19万2765人(女の子・女性12万7225人、男の子・男性6万5540人)に必要な支援を届けることができました。
さらに、多くの難民を受け入れているチャド、中央アフリカ共和国、南スーダン、エジプト、エチオピアなどの近隣諸国でも緊急人道支援を実施しています。
スーダン危機を「忘れられた危機」にしないために
スーダン危機から1年が経過するなか、その継続的な影響に対する世界的な注目が薄れてきていることが懸念されます。この記事を通じて過酷な状況に生きる子どもたちに思いを馳せていただくとともに、引き続きプランが実施するスーダンでの活動をご支援くださいますようお願いいたします。
現在、日本では「食料危機下の子どもの栄養改善」プロジェクトへのご寄付を募集しています。
- ※このプロジェクトは、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の支援のもと実施しています
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