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「公平性」に悩む ハリケーン緊急支援を通して~ハイチ~

プログラム部
馬野 裕朗

America中南米

(2017/02/01更新)

2016年11月から12月にかけて、カリブ海に浮かぶ島国ハイチで緊急支援を行いました。10月に発生したハリケーン・マシューで被災した人々の支援のためです。約1カ月半の緊急支援で無事に衛生用品とキッチン用品を約4800世帯へ配布することができました。今回初めて緊急支援に参加して経験し、感じたことを書き留めたいと思います。

ハイチの厳しい自然と経済状況

ハイチは同じ中南米の国の中でも突出して経済状況が悪い国です。貧困率も、周辺国が10%前後である中、50%を超えています。2010年1月におきたハイチ大地震では、31万人以上が亡くなり、多くのインフラも破壊されました。少しずつ立ち直っている途中で再び今回の災害が発生。210万人が被災し、その大多数である農業従事者は、家だけでなく収穫直前の農産物や家畜といった生計手段を失いました。加えて2015年に行われた大統領選挙が無効になり、それ以降の国際支援が止まり、政治的混乱とともに経済不況にさらに拍車もかかりました(幸い1年後の2016年11月20日に再投票が行われ正式に大統領が決まる)。ハイチ国民にとっては本当に踏んだり蹴ったりの状況です。

今回緊急支援に関わり、一見とても簡単そうに映る物資の配給が、実は本当に難しい支援であると強く感じました。

写真:ハリケーンで破壊されほぼ全壊した建物

ハリケーンで破壊されほぼ全壊した建物

写真:被災した家の前に発つ被災者一家

被災した家の前に発つ被災者一家

アクセス:被災者の手元まで届けることの難しさ

幸運にも、4800世帯分の配布物をすべてハイチ国内で調達できました。もし周辺国からの輸入となれば、大変な時間がかかりハイチで年越しも覚悟していました。業者に一式を倉庫に納品してもらい、梱包し、大型トラックに積み込むまではスムーズでした。

あとは、対象となっている3郡の21村に運ぶだけ。オフィスを意気揚々と出発したものの、1時間後、舗装道路が尽きそのあとは砂利道。がたがたとゆっくりそこから数時間。次第に道幅も狭くなり、平地から山の中に分け入ります。大きく曲がりくねった細い道の砂利はどんどん大きくなり、物資を満載した大型トラックは最徐行で、車体を前後左右に大きく揺らしながら進みました。しかし、いくつかの村へは入れず、小さいトラックで出直し、ある日は途中でパンクして立ち往生し、再び出直し。そのたびに事務所に戻り荷物の積み直し。

写真:舗装路から砂利道へ。その後、山の中に分け入っていく

舗装路から砂利道へ。
その後、山の中に分け入っていく

写真:奇跡的に大型トラックがここまでたどり着いた

奇跡的に大型トラックがここまでたどり着いた

でも大変なのは私たちだけではありませんでした。対象世帯の住民の多くが配布場所まで2~3時間かかり、加えて上記アクセスの問題で、約束の時間から数時間待たせてしまうこともたびたびありました。

配布場所に来てくれた住民に会えたこと、そして配布物を直接手渡しできたことが私には奇跡のように感じられました。

写真:受け取りを待つ住民の列。ここまで数時間歩いてきた

受け取りを待つ住民の列。
ここまで数時間歩いてきた

写真:奇跡的な出会いのように感じた物資の配布作業

奇跡的な出会いのように感じた物資の配布作業

安全確保

今回の配布は、常時銃をもった警官6-7名に同行してもらいました。移動中、あるいは配布中の安全を確保するためです。災害直後の一定期間は、大型トラックで移動をしているだけで大量の支援物資を運んでいると思われ襲撃対象にされるのです。また配布中も、物資を受け取れる人と受け取れない人がその場に多数集まり、怒声が飛び交い、緊張感が高まる場面もしばしば。私自身、受け取れない人から野次を頻繁に受けました。

支援対象者選定:公平性の担保の難しさ

21村それぞれの村で世帯数の割り当てがあり、対象世帯が公正な方法で選ばれることになっても、物資をもらえる人ともらえない人が出てきます。被災した村人の多くは大なり小なり似たような生計状態で、似たような被害を受けています。支援対象者に選ばれるか否かは本当に紙一重でした。限られた支援物資で、受け取ることのできない世帯が出るのは避けられないことでした。わかっていながらも割り切れない気持ちを正直感じました。人間だから不満が出るのは当然だとも思いました。

写真:ここでは700世帯に配布。多くの人が集まり緊張感も増す

ここでは700世帯に配布。多くの人が集まり緊張感も増す

自立支援のための継続的取り組み

今回の緊急支援対象21村がある3つの郡はすべてプランの活動地域です。多くの被害が出た中で、今回の緊急支援はわずかなサポートでしかありません。私たちは引き続きプランの専門である継続的な自立支援を通して、少しずつですが、彼らのリズムを尊重しながら、復旧・開発の側面支援を継続していきたいと思います。

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