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ベトナム北部山岳少数民族を訪ねて
プログラム部
篠原 茜
Asiaアジア
事務局より
(更新)
プログラム部の篠原です。
プラン・インターナショナルに入局して以来、はじめて活動国に出張してきました。行き先はベトナム北部山岳地帯のハザン省で、機関誌「プラン・ニュース」の取材も兼ねた約1週間の現地調査でした。
青く美しいハザン
ハノイを出発しハザンに到着するまでには、車に揺られながら8時間もの時間を要しました。途中、峠を走る車窓から見えたのは、青々と連なる山の尾根と、急斜面を切り開いて作られた棚田の風景でした。目をこらすと、その中に濃紺や青緑の民族衣装を着た人たちが農作業をしている姿が。経済成長が続くベトナムにおいて、発展から取り残されているハザンに暮らす少数民族の人々。今回の出張では、都市の富裕層が豊かな暮らしを謳歌する一方で、貧困から抜け出せずにいる人々の厳しい現実を目の当たりにすることになりました。
ハザンの光景
かけがえのない“仲間”
初日に訪れた村で出会った男性は、プランがハザンで活動を開始した2007年から、コミュニティ・ボランティアをしているタンさん。プラン・スポンサーシップを通じてスポンサーと交流しているチャイルドへ手紙を届け、地域の住民たちに活動への参加を促すなどして、縁の下の力持ち的役割を果たしています。私が普段事務局の業務で手にする報告書やお手紙を、まさに現場で支えている方です。
誠実そうな人柄が伝わるボランティアのタンさん
長年ボランティアを続ける理由を、「それが私の責任だからです。プランが私を信じてくれる限り、やるべきことをやるだけです」と話してくれたタンさん。何より弱い立場に置かれた子どもたちのために熱心に活動する姿が、プランの活動の持続可能性を確保する基盤となっています。
プランが支援しているもの、それは子どもたちの未来
ハザンの少数民族の子どもたちは、教育を受け始めるときに言葉の壁に直面します。教育の現場で使われるベトナム語の理解が十分ではないためです。プランは子どもたちの就学前教育の充実をすすめ、小学校教育への移行をスムーズにするほか、地域の大人たちの教育への理解を高める支援を行っています。
この子たちが十分な教育を受け続けられるように
ベトナム語の本を読む少数民族の女の子たち
プランの支援で建設された分校の幼稚園
しかしながら、学校に行く時間帯に、赤ちゃんをおぶって山の斜面を降りてくる幼い女の子や、幹線道路沿いを大きな籠を背負って歩く女の子の姿も目にしました。子どもたち、特に女の子が小学校から中学、高校、その先へと教育を受け続けることは、想像以上に困難なことです。
こうした状況を変えるために、プランが行っている取り組みのひとつに、ガールズクラブ(女の子クラブ)を通じた、少数民族の女の子たちの教育支援プロジェクトがあります。クラブには小学校高学年から中学生が参加。定期的に開催する集会では、女の子たちを学校から遠ざける要因、例えば早すぎる結婚や伝統的な慣習を見直し、子どもの権利や自身の身を守るための知識を学ぶトレーニングをすすめています。今回視察したクラブでは、上級生が下級生にアドバイスしながら、女の子が日常で直面する危険とその対策について、実践的に学ぶ様子を見ることができました。
身を守る方法を話し合う女の子たち
身の回りの危険をテーマに劇を演じる上級生
女の子クラブのメンバーでポーズ!
思いをあらたに
ハザンからハノイへの帰路、無事調査を終えたことに安堵しながら、車窓を流れる景色をずっと眺めていました。田んぼが棚田から平田へ、家も木造からコンクリートへと変化していくにつれ、ハザンで出会った素朴で温かい人たちが強く思い出されました。
出張を通じあらためて認識したのは、プランの支援が、私が出会った多くの子どもたちの可能性を十分に広げ、自分の人生を諦めずに生きていく力をあと押ししているということ。それが51カ国の活動現場で目指していることなのだと再認識しました。また、スポンサーの皆さまには子どもたちが置かれている現状や社会的な背景を丁寧に伝えていくことが大切であると痛感しました。
今後ベトナムで感じたこと、支援を通じて感じたベトナムとプランの絆を、大勢の皆さんに伝えていきたいと思っています。
あなたの寄付で、誰かの人生に可能性が生まれる。
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