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出生登録と予防接種が守る子どもの未来~ケニア~

プログラム部
番場 慎也

Africaアフリカ

(2019/04/16更新)

プログラム部の番場です。2016年より、武田薬品工業株式会社と連携し、ケニアのクワレ活動地域においてプロジェクトを実施しています。

すべての子どもたちに出生登録を

持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:以下、SDGs)」では、「2030年までに、すべての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する」と掲げています。
ケニア全体の出生登録率は67%※1ですが、クワレ県は56%※2に留まっています。ケニア政府は生後6カ月以内の出生登録を推奨しており、8年生で初等教育修了試験を受けるときには、出生登録証が必要です。出生登録されていない子どもたちは、公的なサービスを受けられず、児童労働や早すぎる結婚の危機にさらされます。

  • ※1 ユニセフ世界子供白書2017
  • ※2 Kenya National Bureau of statistics 2016.

出生登録がすすまない理由

出生登録は住民登録局が担っていますが、クワレ県(兵庫県ぐらいの面積)には事務所が2カ所しかありません。地域の人々はこれらの事務所までバス数台を乗り継いで往復6~8時間、交通費は約1000円かかり、申請と受領のために最低2回は事務所に行かなければなりません。また、生後6カ月以内の申請料金は約50円、それを過ぎると約150円かかります。土地を持たない小作農家の平均的な収入はひと月約6000円(1ケニアシリング=約1円で算出。クワレのランチ代は1人約150円)。以前に比べて、保護者の方たちは、子どもが出生登録証を持つ重要性について理解してはいるものの、申請にかかる時間、資金、労力、文書の読み書きなどの負担から、申請を後回しにしがちです。

出生登録局職員からも、ひとりでも多くの子どもを登録したいとの強い思いを感じますが、政府からの予算配分が少ない、人員が足りないなどの理由によって業務が滞っています。そこで、プラン・インターナショナルは住民登録局と協力して、この課題に取り組むことにしたのです。

電源を確保し読み書きをサポート

出生登録推進のため、数カ月に一度、大型車両を借りて住民登録局と一緒に、6~8人ぐらいのグループでコミュニティに出向いています。保護者には、運転免許証など身分証明書のコピー、子どもの出生時に病院で発行される出生証明書などを持ってきてもらいます。申請書に必要事項を記入して(読み書きが苦手な方の場合は時間がかかります)、持ち込んだパソコンに入力、モスクや学校など電気がある場所を借りて出生登録証を印刷、コミュニティの代表者がサインして、一日で正式な出生登録証を渡すことができます。

写真:申請に並ぶ保護者たち

申請に並ぶ保護者たち

登録手続きにやって来る人々の数は予想以上で、私とケニアのプランスタッフは休憩や食事を取る暇もなく、その日に集まった300人ほどの人々の申請手続きの対応を朝から夕方まで行いました。当初の目標2万5000人以上の子どもたちに登録証を発行することができました。

写真:出生登録申請に集まった数百人の人々の対応をしている番場職員

出生登録申請に集まった数百人の人々の対応をしている番場職員

子どもの出生登録証を得た母親

写真:子どもの出生登録証を得た母親

「子どもの出生登録は、住民登録局までバスを乗り換えて行って、終日並んでも手にできないことがあります。今回、私たちのコミュニティで出生登録キャンペーンを行っていただいて、本当に安心しました。申請してから数時間で子どもの出生登録証を手にすることができました」


子どもの出生登録証を得た父親

写真:子どもの出生登録証を得た父親

「出生登録の代行業者に勧められ、子どもひとり当たり1000シリング(約1000円)を払いましたが、数カ月たっても音沙汰がありません。車もありませんし、クワレまで行くのは一日がかりです。プランがコミュニティの中で登録手続きを行なってくれたおかげで、ようやく子どもたちの出生登録を済ませることができました。子どもたちにはこれからも勉強を続けて欲しいです。本当にありがとうございました」

写真:子どもの出生登録証を得た保護者たち

子どもの出生登録証を得た保護者たち

母子保健サービスのデジタル化

クワレ県では、自宅出産をする人の割合が半数を超えています。病院で出産する人の約8割は出生登録をするのに対し、自宅出産の場合には3割程度にとどまっています。そこでプランは、保健省と連携して、自宅出産の介添えをする地域の保健ボランティアに出生登録の手続きの重要性を教え、住民たちに直接働きかけてもらっています。

写真:出生登録の説明に耳を傾ける地域の保健ボランティア

出生登録の説明に耳を傾ける地域の保健ボランティア

また、郡病院1カ所で、出生登録をデジタル化し、看護師による予防接種の管理業務の簡略化にむけ新たなシステムを導入しています。これまでは看護師が、BCG、ポリオワクチンなど、個別の管理台帳に、接種記録を手書きで記入し、それを別の担当者がパソコンに入力していました。今回導入したシステムでは、1枚のフォームに入力するだけで接種記録を管理でき、より正確な接種データを自動的に作成することができるようになりました。これにより、母子保健サービスを提供する体制を改善することができました。

写真:フォームの運用についてトレーニングを受ける看護師たち

フォームの運用についてトレーニングを受ける看護師たち

また、携帯電話を持っている保護者には、次回の来院予定日をスワヒリ語で事前に連絡しています。携帯を持っている人は、私の予想より少なかったのですが、その代わりに地域の保健ボランティアの方々に、フォローアップをお願いしています。

参加者の声:シンシィアさん 看護師

「ワクチンの在庫管理も含めるとこれまで8冊ほどの台帳を管理していましたが、今回導入した新しいシステムだと、事務作業の時間が短縮できます。正確な情報を登録することはとても大切なので、しっかり覚えてここで働いているほかの看護師や研修生たちにも伝えていきたいと思います」

写真:不要になった台帳を掲げるシンシィアさん

不要になった台帳を掲げるシンシィアさん

支援の終了後を見据えて

このプロジェクトの実施期間は、今年の秋までです。そのため、最近はプランが主導する場面を少なくし、パートナーである住民登録局や保健省が中心となって活動をすすめるように調整しています。また、郡病院で運用しているシステムを、ほかの病院でも導入できないか検討をすすめています。このプロジェクトで目指す「出生登録の推進」、「母子保健サービスの改善」を達成するために、残りの期間は関係者の自立に注力したいと思います。

写真:郡病院にてプロジェクト関係者一同

郡病院にてプロジェクト関係者一同

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