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山岳地域に暮らす若き夫婦の願い~ネパール~

リレーション開発部 スポンサーシップチーム
篠原 茜

Asiaアジア

事務局より

(2019/05/20更新)

リレーション開発部の篠原です。ネパール中西部山岳地帯で行われるプラン・スポンサーシップの活動を視察しました。ネパールのプラン・インターナショナルが2017年に活動を開始したカルナリ県ジュムラ郡は、経済的・社会的にもっとも開発から取り残されている地域の一つです。郡中心部から唯一の幹線道路「カルナリハイウェイ」を車に揺られること2時間、急な岩山を登った先にコミュニティがあります。

写真:地域を結ぶ唯一の道路カルナリハイウェイ

地域を結ぶ唯一の道路カルナリハイウェイ

写真:家屋の屋根も生活や遊びの場に

家屋の屋根も生活や遊びの場に

15歳での結婚

インタビューをした20歳の女性サッチャさんは、同い年の夫ダンマーさんと義父、2歳半と1歳の娘を加えた家族5人で暮らしています。
このコミュニティには、何世紀にもわたり差別を受けてきたダリット(カースト制度の外に位置づけられた最下位層の人々)が多く暮らしています。

写真:5人家族が一部屋に暮らす

5人家族が一部屋に暮らす

サッチャさんはダリットに属し、小学校3年生で学校をやめて以来、水汲みや牛の世話、薪集め、料理などさまざまな家事労働をこなしていました。15歳のときに現在の夫の父が結婚を決め、彼女の両親に許可を求めました。この地域一帯では、女の子が結婚の申し出を断ることはできません。その後、17歳で第一子、19歳で第二子を出産。今は、子連れで毎日畑仕事に出かけ、幼いときと同じようにあらゆる家事労働をこなしています。

一方、夫のダンマーさんは8年生で学校をやめ、近隣の工事現場で日雇い労働者として働いています。ダンマーさんによれば、冬場は積雪でハイウェイが寸断されるため、食料や日用品の輸送が途絶えてしまうとのこと。育てている米や作物は、3カ月~半年ほどしかもたないため、食料が底をつき、数日間何も食べずに過ごすこともあるそうです。「娘たちには何とか食べさせてやりたいのですが、それも難しいときがあります」。厳しい現状に言葉を失いました。

早すぎる結婚の背景にあるもの

この地域では性別による固定的な役割分担が明確に存在しています。プランが実施した「子どもの権利に関する状況調査」によると、水汲みは女性の82.5%、女の子の12.3%が行っているのに対し、男性は1.7%、男の子は3.5%と、極端に低い数字が際立っています。私が滞在している間にも、大勢の女性たちが籠一杯の薪や牛糞肥料を背負って移動する姿や、朝夕に水汲みの順番を待つ女の子たちの姿を幾度となく目にしました。

写真:背負い籠で薪を運ぶ女性たち

背負い籠で薪を運ぶ女性たち

教育状況においても、9~10年生(13~14歳)の中途退学率は、男の子が11.2%であるのに対し、女の子は17.5%と開きがあります。女の子は、親から早く結婚することを求められるうえ、重い家事労働のため学業を断念せざるを得ない状況にあります。

夫婦の、そして地域の親たちの願い

プラン・スポンサーシップが始まって2年ほどのこの地域で、サッチャさんとダンマーさんに、今後どのような活動に参加したいか尋ねました。サッチャさんは、「野菜の栽培など、農業技術を高めるトレーニングを受けたい」と答え、ダンマーさんも校舎の修繕や建設があれば、工事現場での経験を生かして参加したいと話します。

写真:娘のために手作りした木彫りの人形

娘のために手作りした木彫りの人形

また、この地域にどんな変化を求めているかと尋ねたところ、「子どもたち全員が学校に通えて、誰も差別されないコミュニティになってほしい。法律はダリットへの差別を禁じているものの、依然として存在しています」とダンマーさんは語りました。二人が今もっとも懸念しているのは娘たちの教育のこと。彼らだけでなく、話を聞いた親たちの一番の願いは、子どもたちによい教育を受けさせたいというものでした。

10年後、その先の未来を見据えて

プランは今後、サッチャさんやダンマーさんが暮らすコミュニティで、自治体や地元パートナー団体と連携しながら、ジェンダー平等、教育、子どもの保護を最優先に活動していきます。少しずつですが、子どもたちだけでなく、教育や有害な伝統的慣習に対する親たちの意識にも変化が見られ始めています。

写真:娘たちを誰も差別しない人間に育てたい、と語る夫婦

娘たちを誰も差別しない人間に育てたい、と語る夫婦

今回の視察を通じ、プラン・スポンサーシップが、地域の理想とする未来の姿を当事者である子どもたちや住民自身が描き、10年、あるいはそれ以上の長い年月をかけて、活動計画を実現していく地道な取り組みであることを肌で感じました。現在20歳のサッチャさんとダンマーさんが30歳を迎えるとき、娘たちが学校に通い、誰からも差別されることなく生きていける社会に少しでも近づけるように。プラン、そしてコミュニティの挑戦は、まだ始まったばかりです。

  • ※7月にお届けするプランニュースNo.111で視察レポートをお届けします。どうぞお楽しみに!

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