【活動国詳細】ネパール
ネパールは南部の平原地帯、中央部の丘陵地帯、北部の高山地帯の3つの地域に分かれています。100を超える多様な民族やカーストがあり、たくさんの種類の言語が話されています。先住民族や貧困世帯の子ども、障害のある子ども、女の子など、社会的に弱い立場に置かれた子どもたちの生活は過酷な状態にあり、また、都市と農村では著しい地域格差がみられます。2015年の地震では、寺院や古い建造物が倒壊した首都カトマンズをはじめ、周辺地域で大きな被害がありました。
開校式を祝う女の子たち
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ネパールでの活動
【活動国データ】
国が抱える問題
- 妊産婦・新生児死亡率が非常に高いこと。
- 下水道普及率が人口の半分以下で、飲料水が不足し、水質が悪いこと。
- 移住者や農村女性のHIV感染率が高いこと。
- 識字率が低く、初等教育・中等教育における中途退学率が高いこと。多くの子どもたちが貧困やジェンダー(社会的性別)による差別で教育機会が奪われていること。
- 教育の質が悪く、教師のトレーニング不足により、体罰が横行していること。
- 若者の間の失業率が高く、雇用機会が不足していること。世帯の多くが農業で生計を立てているものの、十分な収穫量がないこと。
- 出生登録が普及しておらず、児童労働や人身売買、女性への暴力が横行していること。
プログラム別活動概要
1.保健と衛生の改善
新生児ケアと妊産婦の健康、とくにHIVの母子感染予防と、感染した母子の治療に注力します。また、コミュニティ運営の給水システムの整備を支援します。
2.基礎教育の普及と質の向上
退学した子どもたちが正規の教育に復学できるように奨学金を提供しています。また、カムラリ(家事使用人として働きに出される貧困家庭出身の女の子)、ダリット、障がい者への支援を集中して行うとともに、教育の質を高めるため教師のトレーニングを実施します。
3.世帯収入の増加
貯蓄貸付組合の育成、マイクロ・ファイナンス(小規模金融)の導入、職業訓練の提供や起業・農業支援を通して、安定した食糧生産と収入創出を促進します。また、女性共同組合の規模拡大や青少年共同組合の導入を通して、若者の失業問題を解決します。
4.子どもの保護と参加促進
働く子どもたちと、ジェンダー(社会的性別)による暴力や人身取引の被害を受けた子どもたちの権利を守り、教育の機会を提供します。また、青少年クラブの活動を支援し、子どもたちの参加を推進します。
基本データ
首都 | カトマンズ |
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面積 | 14万7000km2(北海道の約1.8倍) |
人口 | 2649万人(2011年 人口調査) |
言語 | ネパール語 |
宗教 | ヒンドゥー教徒(81.3%)、仏教徒(9.0%)、イスラム教徒(4.4%)他 |
※出典:外務省ウェブサイト
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プラン・インターナショナルのデータ
活動開始年 | 1978年 |
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チャイルド数 | 39726人 |
日本のスポンサーを持つチャイルド数 | 1905人 |
昨年度プランが活動を行ったコミュニティの数 | 2244 |
現地事務所 | 統括事務所:ラリトプール # 6054(202)ラウタハット # 6055(239)マクワンプール # 6056(267)バンケ # 6059(270)モラン # 6094(855)スンサリ # 6104(857)シンズリ # 6121 ミッドウエスタンヒルズ |
※2018年3月現在
統計情報
ネパール | 日本 | コメント | |
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5歳未満児死亡率 (1000人当たり) |
35 | 3 | 日本の約12倍の子どもたちが5歳未満で命を落とす |
5歳未満児死亡率の順位 | 59 | 179 | |
安全な水を利用できる比率(%) | 88 | 99 | |
衛生施設を利用できる比率(%) | 46 | 100 | 5割以上が衛生施設を利用できない |
初等学校の最終学年まで 在学する率(%) |
77 | 100 | 中等学校就学率は平均53% |
成人識字率(%) | 60 | ― | 成人の約4割が読み書きができない |
国際貧困ライン1日1.90米ドル未満で暮らす人の比率(%) | 15 | ― | |
出生時の平均余命(年) | 70 | 84 |
※出典:ユニセフ世界子供白書2017より