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【開催報告】「あなたが決める自分らしさ〜ルッキズムを語ろう〜」日本事務局創立40周年企画(9/10)
アドボカシー
イベント
(更新)
2023年9月10日、プラン・インターナショナルの日本事務局創立40周年を記念し、オンラインワークショップ「あなたが決める自分らしさ~ルッキズムを語ろう~」を開催しました。当日は、10代から50代まで約40人が参加し、ルッキズム(外見至上主義)について考えました。進行役は、ユースを対象にしたルッキズムに関する調査を行ったプラン・ユースグループが務めました。
「ルッキズム」は誰にとっても身近な課題
ワークショップの前半では、まずプラン・ユースグループが、日本のユース(15~25歳)約200人を対象としたルッキズムに関する意識調査結果について、報告書を紹介しながら発表しました。8割以上の回答者が容姿・外見に対する悩みを持っていることが明らかになり、男性よりも女性にその意識傾向が強いことなどを、スライドを用いて紹介しました※。
調査結果を報告するユースメンバー
続いて、参加者の方々にその場でアンケートを行いました。参加者の8割が「ルッキズム」という言葉を知っていると回答し、テーマへの関心の高さがうかがえました。また、「他人から自分の容姿を評価されて嫌な気持ちになることはあるか?」との問いには、約7割の方が「よくある・まあある」と回答。「容姿による評価や差別はどこで受けているのか?」との問いに対して最も回答が多かったのは学校(約7割)で、家庭、職場と続きました。多くの人が日常生活のなかでルッキズムを経験したことがあるようです。
白熱した各グループの議論
後半はグループに分かれ、ルッキズムに関する2つのテーマについて議論しました。さまざまな感想や意見が出され、白熱した話し合いとなりました。
ルッキズムだと思った体験や見聞きしたこと
- 「太っていることは良くない。痩せていることは良いこと」という認識が広くあるせいか、「痩せていていいね」と言われるのが辛い。自分は食べたくても食べられなくて、痩せているのに」(20代・女性)
- 「(コロナ禍に)接客業でマスクをするようになると、(それまでと比べて)お客さんの反応があからさまによくなった。見た目でお客さんも対応を変えていると感じた」(30代・女性)
- 「K-POPアイドルの美しさの基準から影響を受けていることはある」(年代・性別無回答)
- 「(今、生活している国では)見た目については褒めるのもNG。髪型や服装など自分で変えられることは話してもいいが、体型や肌の色など簡単に変えにくいことは話さない」(年代・性別無回答、海外在住)
ルッキズムに対して、自分ができること、社会に期待すること
- 「男だから、女だからというステレオタイプが減っていくことで、ルッキズムも解消されていくのでは」(40代・男性)
- 「美の理想が固定化していることが問題。見た目についての言及をタブーとするのではなく、いろいろな形を認めていくことがいい」(20代・女性)
- 「好きなメイクや服装を追求して、なりたい自分になろうとすることは否定したくない。その『なりたい姿』を多様化することが大事」(20代・女性)
- 「大人になってから指摘しても遅い。小学校から包括的性教育を通じて、違うのが普通で当たり前だと伝えていくことが必要」(年代・性別無回答)
- 「相手がストレスだと感じる可能性のあることは言わないことが大切」(年代・性別無回答)
議論を通じてさまざまな経験を分かち合うことで、ルッキズムという言葉を知らなかった人も、自分自身が受けていたルッキズム的な言動について気づき、振り返ることができたようです。参加者の方々に共通していたのは、一人ひとりがもつ「~だから」という考え方や期待を減らしていくことによってルッキズムから自由になり、自分らしさを追求できるようになるという意見でした。
今回のワークショップでは、幅広い世代の方々とともにルッキズムの問題を考えることで、その背景にある偏見やジェンダー・ステレオタイプの課題が見えてきました。こうした課題の解決に向けて、プランはこれからもユースとともに活動を進めていきます。
イベント担当者より
プラン・ユースグループメンバー(はるかさん)
今回はプラン・インターナショナル日本事務局創立40周年記念企画のひとつとして、通常のプラン・ユースグループ主催のイベントよりも幅広い世代や多様なジェンダーの方々にご参加いただき、学ばせていただくことの多いイベントになりました。例えば、私たちが作成した報告書では男性よりも女性の方が外見を重要視する結果が出ていたのですが、イベント内で行ったグループディスカッションを通じ、日常生活のなかで誰しも自然と容姿(体型、体毛、メイクなど)は「こうあるべきだ」という思い込みにとらわれ、それは年代やジェンダーを問わず刷り込まれてしまっている可能性も見えてきました。今回のイベントを通し、少しでもルッキズムにとらわれず自分らしくいられる方法が見つけられたり、どのように社会が変わるべきかを考えたりするきっかけになれば幸いです。
参加者の皆さまとの記念撮影
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