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「南スーダン難民の保健衛生」プロジェクトを開始しました~スーダン~
グローバル・プロジェクト
スーダン
(更新)
2021年6月から、スーダンにおける「南スーダン難民の保健衛生」プロジェクトへの寄付募集が始まりました。このプロジェクトでは、難民キャンプおよび周辺地域の学校において、手洗い習慣の改善、トイレの整備を行うとともに、教員研修や学校保健クラブを通じた衛生啓発活動を行います。また、ジェンダーに基づく暴力や女の子の中途退学を防ぐための取り組みも支援します。
プロジェクト紹介
スーダンには約77万人の南スーダン難民がいますが、そのうち約24万人が難民キャンプに暮らしています※1。難民キャンプ内の学校やキャンプに隣接する村の学校は、トイレや手洗い場が設置されていないことも多く、子どもたちは衛生教育も十分に受けていません。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やコレラなどの感染症もまん延しやすい環境となっています。
スーダン政府が2019年に全国の学校を対象に行った調査によると、安全な水へのアクセスがある学校は45.5%、適切なトイレを備えた学校は50.8%、手洗い用石けんがある学校は42.9%に限られていました※2。
このプロジェクトでは、難民キャンプおよび周辺地域の学校において、手洗い習慣の改善、トイレの整備を行うとともに、教員研修や学校保健クラブを通じた衛生啓発活動を行います。また、PTAなど学校運営にかかわる人たちへの研修を通じ、ジェンダーに基づく暴力や女の子の中途退学の防止にも取り組みます。
乾燥地域にある難民キャンプ
- ※1 UNHCR South Sudanese Refugees in Sudan Dashboard as of 28 February 2021
- ※2 UNICEF Fact Sheet: Education within COVID-19
学校で遊ぶ子どもたち
中途退学を防ぐ取り組みが重要
プロジェクト担当者の声

日本:プログラム部 道山 恵美
「プロジェクト対象地域のPTAメンバーの男女比は、男性がおおよそ7~8割で、女性は2~3割にとどまっています。男性が多い理由を聞いたところ、『女性よりも男性の方が地域全体を俯瞰して、より地域に貢献できる意見を出すから』『男性の方が、人前で話すのが上手だから』という意見が返ってきました。こうした考え方から、PTAに限らず、地域組織のメンバーは男性が多く選ばれているそうです。
プロジェクトでは手洗い場やトイレの整備といったハード面の環境を整えるとともに、女性の保護者や女性教員をPTA活動に巻き込んでいくことを試みます。『地域に貢献する意見は男女ともに言える』といった声が、プロジェクト参加者から聞かれるようになると嬉しいです」

スーダン:プロジェクト担当 アフメッド・エルハナフィ
「私は2019年5月からプラン・インターナショナルで働いています。難民や難民受け入れ地域の人々に対して教育、保健、給水や衛生改善といった支援を提供する自分の仕事にやりがいを感じています。一方で、支援が十分ではないと感じることもあります。特に新型コロナウイルス感染症が流行しはじめてからその思いは強くなりました。感染症そのものがもたらす影響だけではなく、経済的困窮や偏見といった負の影響を強く受けるのは子どもたちです。
新型コロナウイルス感染症の影響で、スーダンの学校は2020年3月~12月までの9カ月間が休校になりました。学校は再開されましたが、先生たちはどうやって安全に授業をするか、親や養育者たちもどうやって安全に子どもを学校に通わせるか、手探りで日々の学校運営にあたっています。難民キャンプの学校もそうですが、それ以上にキャンプ周辺の学校は手洗い場やトイレが不足しており、衛生的かつ安全に勉強を続けるのが難しい状況です。プロジェクトの実施を通じ、子どもたち、特に女の子たちが中途退学することなく、安全な環境で学校生活を送れるよう活動していきます。皆さまのご支援に感謝申し上げます」
「南スーダン難民の保健衛生」プロジェクトへの支援を受けつけています
実施地域 :
【スーダン】白ナイル州 難民キャンプとその周辺
活動内容 :
- 難民キャンプやキャンプ周辺の学校への手洗い場や貯水タンクの設置(9校)
- 手洗い用石けん、清掃用具の支給(13校)
- 学校トイレの整備(5校)
- 生理用品の配布(960人)
- 子どもの保護リスク、ジェンダーに基づく暴力などの教員研修の実施(25人)
- 学校保健クラブの設置、子どもたちの学びのサポート(182人)
- PTAなど学校運営にかかわる人たちへの研修(110人)
対象者 :
難民キャンプや周辺の学校で学ぶ子ども1万6543人とその学校教員
- ※このプロジェクトは、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の支援のもと実施しています