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早すぎる結婚のない地域づくりを目指して~ネパール~

プログラム部
海藤 純子

アジア

更新)

プログラム部の海藤です。2020年3月以降、在宅での業務が続いています。今までは同じ部の同僚たちの顔を見ながら仕事をしていましたが、現在はチャットでの会話が中心です。刻々と変化する状況の中で判断が難しいこともあり、あらためてコミュニケーションの大切さを痛感しています。ネパールの職員とはこれまで以上に連絡を取り合いながら、状況に応じて柔軟に活動をすすめています。

早すぎる結婚の現状

業務では、2018年7月からネパールで実施している「早すぎる結婚の防止プロジェクト」を担当しています。ネパールの法律では結婚は20歳からと定められていますが、正しい年齢を証明する出生登録の不整備や法律をきちんと理解せず慣習を優先している人も多く、順守されていません。ネパール政府も重要な課題のひとつとして取り組んでいます。プロジェクトの対象地域であるバンケで実施した調査では、既婚女性のうち約50%が17歳より若い年齢で結婚したことが判明しました※1

写真:早すぎる結婚の防止プロジェクト

早すぎる結婚の防止プロジェクト

早すぎる結婚により、女の子たちは途中で学校を辞めるなど十分な教育を受けられず自立の機会を失うだけでなく、夫やその家族からの暴力や虐待を受け心身の健康を損なう危険にさらされます。そのため、このプロジェクトでは、早すぎる結婚の防止にむけて、当事者である女の子たちだけでなく、男の子たちや宗教リーダー、地方行政との連携を密にして活動を行っています。

  • ※1:Report on Baseline Survey of Preventing Child Marriage Project in Banke, Plan International Nepal Country Office, March 2019

ネパールの新型コロナウイルス感染症の状況

プロジェクトをすすめるなかで、今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で活動の一部変更を余儀なくされています。感染症の広まりは、ネパールの人々にもさまざまな影響を及ぼしています。特に女の子や女性たちは、家事や家族の看病などに費やす時間が増えたことや、収入減少による経済状態の悪化によって、ジェンダーに基づく暴力にさらされるリスクが高まっています※2

2020年11月12日現在、ネパールでの新型コロナウイルス感染症の感染者数は20万2329人、死者は1174人となっており※3、カトマンズ、ラリトプールおよびバクタプールにおいて実施されている行動規制は9月17日から無期限延長が決定しました※4。プロジェクトを実施しているバンケでのロックダウンは一部緩和されてはいるものの、3月からの休校は続いており、大人数での集会などは引き続き制限されています。2020年11月12日現在、バンケの感染者は3595人、死者は34人です※5、6。この状況を受けて、このプロジェクトでは、予定していた活動の一部の変更を余儀なくされています。

コロナ禍のもと柔軟な姿勢で活動をすすめる女の子たち

これまでは、女の子クラブのメンバーとプラン職員が会合を行い、早すぎる結婚やジェンダーに基づく暴力の問題を話し合って、警察や行政への問題提起につなげていました。しかし新型コロナウイルス感染症の予防対策のため、現在はオンラインで話し合いを行っています。また、早すぎる結婚の弊害などを伝える啓発劇は、多くの人々が集まる場となってしまうため実施が難しい状況になり、女の子クラブのメンバーたちはラジオやソーシャルメディアを活用して早すぎる結婚の問題を情報発信しています。

写真:女の子クラブのメンバーたち

女の子クラブのメンバーたち

写真:ラジオで早すぎる結婚の問題を語る女の子クラブメンバー

ラジオで早すぎる結婚の問題を語る女の子クラブメンバー

活動成功の鍵はさまざまな関係者との連携

早すぎる結婚の防止には、女の子や男の子、そして保護者、宗教リーダー、行政などさまざまな人たちとの連携が重要です。たとえば宗教リーダーたちは近隣地域と関係構築を行い、婚姻手続きの際に出生登録の確認を強化しています。また行政は、早すぎる結婚ゼロの地域づくりにむけて行動計画を策定、枠組みを整備したり、地区代表自身が学校の生徒たちに法律順守について説明するなど、地域全体で連携した取り組みをすすめています。

写真:各地域の宗教リーダーたち

各地域の宗教リーダーたち

写真:早すぎる結婚は法律違反と語る地区代表

早すぎる結婚は法律違反と語る地区代表

ネパールのプロジェクト担当職員の声

最後に、ネパール国統括事務所スタッフのプロジェクト担当職員アシャからのメッセージをお届けします。「早すぎる結婚の防止のために、ネパールの女の子と男の子たちの能力強化と住民の意識啓発活動をご支援くださいまして心よりお礼申し上げます。新型コロナウイルス感染症により、活動の実施方法を変更するなどの対応を行いながら、早すぎる結婚がない地域にむけて力を合わせて活動を続けています」

写真:ネパールのプロジェクト担当職員のアシャ

ネパールのプロジェクト担当職員のアシャ

以前に私が、出張でネパールを訪れた際に、コミュニティで活動する若者グループのメンバーたちと話をする機会がありました。印象的だったのは、女の子も男の子も自分のためだけでなく、コミュニティ全体のことを考えて意識啓発などの活動を積極的に行っていたことです。希望と自信に満ちたその姿に、大変心を動かされました。また活動を支えるネパールの職員たちは、地域の状況改善に対する真摯な思いを聞かせてくれました。これらの経験は、私にとって日々仕事をするうえでの大きな支えになっています。

活動には皆さまのお力添えが必要です。引き続き「早すぎる結婚の防止プロジェクト」へのご支援をよろしくお願い申し上げます。

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