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【経過報告】「シリア難民の女性の安全な居場所」プロジェクト~ヨルダン~
ガールズ・プロジェクト
ヨルダン
(更新)
プラン・インターナショナルは、2019年7月から、「シリア難民の女性の安全な居場所」プロジェクト(ヨルダン)を実施しています。現在までの活動の進捗をご報告します。
背景
2011年3月から始まったシリア紛争は、いまだ解決の糸口さえつかめないまま9年目を迎えています。シリアと国境を接するヨルダンに開設されているアズラック難民キャンプには現在3万6000人が生活しており、その60%は18歳以下の子どもです。総世帯のうち25%は女性が世帯主として、慣れない土地での生活を余儀なくされています。※
ここ数年特に顕著なのは、ヨルダンで生活しているシリア難民の女の子の「早すぎる結婚」が倍増していることです。貧困から脱却が期待できる、キャンプ内外での誘拐や性暴力などから娘たちを守ることができると考える保護者がいることがその理由です。
このプロジェクトでは、この状況を変えるためアズラック難民キャンプで生活しているシリア難民に対するアプローチを行います。ジェンダーに基づく暴力防止やジェンダー平等などに関する能力強化や意識啓発、非公式教育などの活動を行うことにより、女の子や若い女性が自身の健康について十分な情報を持ったうえで意思決定できるようになることを目指します。
- ※出典 : Azraq Refugee Camp Fact sheet(UNHCR, February 2019)
活動のハイライト
活動内容
アズラック難民キャンプ内で活動をすすめるにあたり、ヨルダン政府の担当省庁に必要な書類を提出しましたが、その公式承認が下りるまでに数カ月を要し、遅れが生じている「安全な居場所」の建設をすすめています。今期は、親・保護者を対象に「ペアレンティング・クラス」を開始。「コミュニケーション」「我が家のスタイル」「思春期の子どもをいかに守り、育て、サポートするか」などについて学んでいます。受講後のアンケートでは、参加者の92%が、適切な子どもたちとの向き合い方や家庭内教育などについて理解が深まったと回答しました。また、キャンプ内では、若者たちを対象としたジェンダーセッションを週1回開催。彼らはセッションを通じて日々直面している問題について意見を交換し、改善のための具体的なアクションにつなげています。
おもな活動の成果
地域 | アズラック難民キャンプ(シリア国境から90kmに位置する) |
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期間 | 2年(2019年7月~2021年6月) |
2020年度 おもな支援内容と対象 |
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- ※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症対策のため、プロジェクトの遅れが生じています
関連リンク
現地の声
リハブさん、16歳、女の子たちのセッション参加者
「両親と大事な話をするときは、よいタイミングを選ぶ必要があることがわかりました。親たちが大きなプレッシャーの下にいることを私は理解しています。両親のことをより理解できれば話もしやすくなります」
エマッドさん、16歳、男の子たちのセッション参加者
「男性優位の考え方が、女性たちを低い社会的地位に置き、教育、結婚などの人生の大事な決定を自身でできなくさせていることを学びました」
シーハムさん、親たちのセッションに参加した母親
「10代の息子がいますが、私の言うことを全然聞きません。悪い行いをしないよう息子を守り、アドバイスするにはどうしたらよいか知りたいです」
アズナンさん、親たちのセッションに参加した父親
子どもの権利について理解する大切さを知りました。ほかの親たちにもこの知識を広めていきたいです