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【完了報告】「シリア難民の女性の安全な居場所」プロジェクト~ヨルダン~
ガールズ・プロジェクト
ヨルダン
(更新)
ガールズ・プロジェクト2021年度活動報告
プラン・インターナショナルは、2019年7月からヨルダンで実施していた「シリア難民の女性の安全な居場所」プロジェクトを、2021年6月に完了しました。
活動内容
未来を担う若者たちの知識とスキルが大きく向上
2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響で厳しいロックダウンが実施され、難民キャンプに暮らす人々は、より一層のストレス下での生活を余儀なくされました。早すぎる結婚や児童労働のリスクもこれまで以上に増加しました。コロナ禍での活動継続にあたり、各種の講習やセッションをオンラインに切り替えて実施。自宅での学びが継続できるよう、参加者に教材や資材を届けました。対面での集会も、感染予防対策を十分にとったうえで開催するなど、臨機応変に活動を続けました。
プロジェクトの最終年となった今期は、思春期の子どもを対象とした意思決定やストレスをコントロールする能力を高めるためのライフスキル講習や、保護者むけの早すぎる結婚のリスクを伝える講習会など、さまざまな活動に子どもと大人、計527人(うち女性335人)が参加しました。完了時の調査では、参加した人々全員に、それぞれが学んだ知識とスキルの著しい向上が見られました。女性たちは以前よりも自信をもって意見を言えるようになり、親たちは思春期の子どものニーズと早すぎる結婚のリスクを理解し、より子どもたちをサポートするようになりました。性と生殖に関する健康と権利や、ジェンダーに基づく暴力についての知識を深めた女の子たちが、自らの心身の健康と安全を脅かす問題に対して積極的に行動を起こす姿も見られています。
今後も、若者たちがプロジェクトで身につけた知識とスキルを活かして、活動を続けていくことが期待されます。
おもな活動の成果
地域 | アズラック難民キャンプ(シリア国境から90kmに位置する) |
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期間 | 2年(2019年7月~2021年6月) |
おもな支援内容と対象 |
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プロジェクト背景
2011年3月から始まったシリア紛争は、いまなお解決の糸口が見えていません。シリアと国境を接するヨルダンに開設されているアズラック難民キャンプには現在約3万8000人が生活しており、61%は18歳以下の子どもです。総世帯のうち25%は女性が世帯主として、慣れない土地での生活を余儀なくされています※
。そのようななか、ここ数年ヨルダンで生活しているシリア難民の女の子の「早すぎる結婚」が倍増しています。貧困や、結婚することによりキャンプ内外での誘拐や性暴力などから娘たちを守ることができると考える保護者がいることが原因です。
- ※出典:Azraq Refugee Camp Fact sheet(UNHCR, July 2021)
長年のご支援をありがとうございました。
プランはこれからも、女の子が直面する問題に焦点を当てて活動を続けていきます。
引き続き、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
関連リンク
現地の声
ファティマさん、シリア難民の女の子
「新型コロナウイルス感染症の拡大で、難民キャンプでもロックダウンが実施されました。私は一層閉じ込められた気持ちになり、孤独を感じました。でも、ライフスキル講習で教わったことを思い出し、深呼吸や瞑想をしたり、手工芸をしたりして、このストレスに対処できました。また、『チャンピオン・オブ・チェンジ』の講習会では、いろいろな形の搾取やハラスメントから身を守る方法を学びました。この講習会のおかげで、友だちがハラスメントに悩んでいるサインにいち早く気がつき、彼女を励まして、一緒に相談窓口に通報することができました。私が身につけたスキルが周囲の人たちにも役立って、とても嬉しいです。仲間とともに、難民キャンプを安全で守られた居場所にするためには何をすべきかを話し合っています」