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【完了報告】「早すぎる結婚の防止」プロジェクト~ネパール~
ガールズ・プロジェクト
ネパール
(更新)
ガールズ・プロジェクト2021年度活動報告
プラン・インターナショナルは、2018年7月からネパールで実施していた「早すぎる結婚の防止」プロジェクトを、2021年6月に完了しました。
- ※現在はベトナムにて「早すぎる結婚の防止」プロジェクトを実施中です。
活動内容
成果を持続させる体制づくりにむけて
3年プロジェクトの最終年は1629人が女の子クラブに参加し、さまざまなトレーニングを通して能力を開花させながら、早すぎる結婚防止にむけた啓発を推進しました。行政リーダー、宗教リーダー、警察官も相互の連携を強化し、早すぎる結婚を禁止する法律を守るよう住民へ働きかけを行いました。一部の保護者グループには、女の子の婚姻可能年齢を法定の20歳から16歳に引き下げようとする動きも見られるなど、地域の意識を変える取り組みは容易ではありませんが、プランの働きかけを通じ、多くの人々が早すぎる結婚の弊害に関する理解を深めています。対象の8市区の自治体は、早すぎる結婚防止のための戦略や年間計画を作成し、予算を確保。これらの取り組みへの決意を表明する「早すぎる結婚ゼロ宣言」が5地区で採択され、バンケ郡政府はさらに15地区での採択を約束しています。プロジェクトが終了しても、早すぎる結婚防止に向けた取り組みは、地域の人々の手によって継続されていきます。
おもな活動の成果
地域 | バンケ活動地域 |
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期間 | 3年(2018年7月~2021年6月) |
おもな支援内容と対象 |
女の子クラブの設立と能力強化
行政、宗教リーダー、地域リーダーとの連携・協働
早すぎる結婚に関する啓発活動
|
プロジェクト背景
ネパールでは、「早すぎる結婚」が法律で禁止されているにもかかわらず、農村部では52%の女性が18歳未満で結婚しています。また10万人以上の女の子が10歳になる前に結婚させられており、15~19歳の女の子の約17%が早すぎる妊娠・出産を経験しています。「早すぎる結婚」によって、中途退学を余儀なくされる、健康を害する、夫やその家族からの暴力や虐待の温床になる、自立への道が閉ざされるなど、その弊害は大きくなっています。
長年のご支援をありがとうございました。
2021年7月からは、新たにベトナムで「早すぎる結婚の防止」プロジェクトを実施しています。
関連リンク
現地の声
プーナムさん、21歳、女の子クラブ代表
「私は13歳のとき、17歳の男性と強制的に結婚させられました。私の地域では早すぎる結婚は当たり前に行われており、私は父が怖くて逆らうことができなかったのです。夫は学校を中途退学して、農業で生活していました。私は当時小学5年生で、教師になることを目指して勉強しており、成績は優秀でした。
この地域では、結婚は2段階に分けて行われます。まず結婚式が行われ、その後しばらくしてから、花嫁が夫の家で暮らすための『ガウナ』という別の儀式が行われます。13歳で結婚させられたとき、5~6年後にガウナを行うと言われました。そのため、結婚式の後も実家で暮らし、裁縫でお金を稼ぎながら学校に通っていましたが、9年生の時に『ガウナ』が執り行われました。
『ガウナ』の後は夫の家に1カ月滞在しましたが、大学に進学するため、義理の家族の反対を押し切って実家に帰りました。プランの女の子クラブに参加したのは、この頃です。クラブに参加したことで、私の人生は一変しました。自分に自信がつき、自尊心も高まりました。トレーニングへの参加、クラブの代表としての他地区の訪問など、さまざまな機会が与えられ、早すぎる結婚を実際に何件か阻止することもできました。自分たちが成し遂げたことに誇りを持っています。
今でも義理の両親は私を彼らの家に連れて行こうとしますが、そのたびに逃げ帰っています。夫とその家族は、教育を受け続けたい、教師になりたいという私の意志を尊重してくれません。村の人たちからは偏見の目で見られたり、批判されたりもしますが、私は自由を失わず、自分の夢を叶えるために努力を続けたいと思っています」